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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
空白期 中学編 03 「新たな出会い」
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、今日はいい」

 隣から響いてくる声に対する苛立ちが我慢の限界を突破したのか、織原先生はまだHRをしているクラスがあるので学校内は静かに、校外に出たら寄り道するなという意味の言葉を残して教室から出て行った。初日から隣のクラスの教師が訪れるという事態を客観的に考えると、隣の生徒達が気の毒でならない。

「……まあいいか」

 そう思って帰ろうと腰を上げたとき、朝ディアーチェに言われたことを思い出した。
 ――そういえば、帰りに一緒に買出しに行くんだったな。どこで待ち合わせってのも決めてなかったし、教室で待っていたほうが賢明か。……隣の雰囲気からして、いつ終わるか分からんが。
 それにディアーチェと話しているところを見られた場合、面倒な展開になる可能性は十分にある。そのように考えた俺は、力なく座っていたイスに腰を下ろし、静かにため息を吐いた。

「ため息なんか吐いてると幸せが逃げちゃうわよ」

 近くから聞こえた声に視線を上げると、そこにはウェーブの掛かった長髪の女子が立っていた。確か名前はキリエ・フローリアンだったはずだ。ピンクという髪色、スタイルの良さ、同年代よりも色気を漂わせる言動から記憶に残っている。

「えっと、確かフローリアンだっけ」
「キリエでいいわよん。私もショウ君って呼ぶから」

 話したこともない男子に対していきなり下の名前で呼んだり、下の名前で呼ぶことを許したり……この少女は何なのだろうか。中学生くらいの時期の男子だと勘違いをしてもおかしくないというのに。俺の周りには、そういう異性が割りといたので勘違いはしないが。

「あぁそう……」
「あらん? 嬉しくなさそうね」
「いきなり見知らぬ女子に話しかけられて、喜ぶ理由もないと思うんだけど?」
「ありゃりゃ……クールに育っちゃって。それに見知らぬね……これは私達のこと覚えてなさそうね。お姉ちゃん可哀想に」

 陰口を言いそうな子には見えないし、本人の目の前で陰口を言う人間もいないはずだ。この子は何をブツブツ言っているのだろうか。

「ねぇショウ君」
「ん?」
「今度お姉さんとデートしない?」

 その言葉に、目の前の少女に対して感じていた何かの正体が分かった。おそらく、この子ははやてやシュテルと同種。人のことをからかって面白がる人間だ。

「え……遠慮しておくよ」
「女の子の誘いを無下にするなんてダメよ〜」

 キリエという女子は俺の机に両肘を着きながら顔を近づけてきた。元々人と話す距離感が近いほうではない俺にとって彼女の行動は心臓に悪い。いや、思春期の男子にとって美少女が無防備に近づいてきたら誰だって俺のような反応を起こすだろう。
 意図的にやっているのか、天然なのかは分からないがこの子は小悪魔的だ。前者ならある意味はや
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