第8話 Accelerating Turn 3
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刃がぶつかり合う。火花が散る。
サテライザー先輩のノヴァブラッドが、ビッチ…いや、カンナヅキ先輩のボルトウェポン、ホーミングダガーがお互いを削り合う。
あの先輩は、ただのビッチだと思っていた俺の見解は、大きく外れた。
三年生と言うだけあって、その力は半端なものでない。
無数のダガーを操り、じわじわとサテライザー先輩のノヴァブラッドを削っていく。この場合は、カンナヅキ先輩の方が有利だ。何本でも生み出せ、かつ、サテライザー先輩が弾いている間にストックを作れる。
これではジリ貧だ。ノヴァブラッドが折れる、もしくは手から離れた瞬間に、無数のダガーが襲いかかるだろう。
「先輩!」
俺は、二人の間に入って止めようとしたが、サテライザー先輩の目を見たときに、憚られた。
劣勢の人間の目では無かったのだ。
力強い、戦士の目。
そこには、諦めるという考えも、負けるという未来もまったく無いといった眼だ。
その証拠に、先輩の姿が、“消えた”。
いや、正確に言えばわ消えたと錯覚させるほどの速さでカンナヅキ先輩の背後に回ったのだ。ギリギリ、目で追うことはできたが、それでもギリギリだ。
ブレードを振りかぶり、先輩は一気にそれを叩きつけた??
「っ??」
だが、彼女が叩き壊したのは、カンナヅキ先輩ではなく、コンクリートの地面だ。
「へぇ。アクセルが使えるんだ。二年生なのにやるじゃない。」
そして、サテライザー先輩の背後には、カンナヅキ先輩がいた。
それはどういう事か?
彼女は今、サテライザー先輩と同じ、いや、それ以上の速さで移動したのだ。
アクセル、と彼女は今言っていた。
その時だ。昔の記憶が蘇る。姉さんが生きていた頃に、あの速度を見たことがある。
あの人が休みの日には、俺を相手に練習していた。
アクセル・ターン。アオイ・カズハが生み出した、対ノヴァ用のハイエンドスキル。
みたいなものだったような、そうでないような……………
とかやってる内に、サテライザー先輩とカンナヅキ先輩の刃がまたしてもぶつかり合う。
カンナヅキ先輩は、ホーミングダガーを先ほどのように何本も精製しているのではなく、二本のダガーを両手に一本ずつ持ち、アクセルを使いながらぶつかり合う。
常人には見えない速度だろう。
だが、闘っているということは解る。
地面は抉れ、大気は震え、殺気が迸る。
それだけでも、闘っているという事実は明白だった。
だが、その闘いが、俺にはかろうじてだが見えていた。
一見、優勢に見えるのはカンナヅキ先輩だが、徐々に焦りが見え始める。
いや、焦りと言うよりは恐怖だろう。
最初こそサテライザー先輩より速かったが、だんだんとその速度に彼女は追いついて
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