第一部 学園都市篇
第3章 禁書目録
七月二十七日・夜:『剣理:殺人刀』
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込まれた。撃ち出される槍は、さながら弾雨。否、砲雨だ。挽肉すら残らなそうな程の。
本来は『十連続に見せ掛けた初手必殺』の筈のその技は、これにより『十点射に見せ掛けた初手必殺』へ。避けようはない、詰みである。
では、どうするか。必死に回転させた脳味噌で、得た『答え』は────
「柳生新影流兵法────」
何だ───────
………………
…………
……
颶風が駆け抜ける。緑色の灰を撒き散らしながら、“黄衣の王”が虚空を疾駆する。足元から迫り来る無数の触手と、天井から降り落ちてくる無数の蛇を躱しながら。
しかし、それもここまで。網目のように絡み合う触手と蛇が、行く手と退路を塞ぐ。舌打ちを一つ、その背に負うセーラー服の女学生を確かめて。そして両腕に、弐挺拳銃を構える。
《喰らえ、喰らえ────“疫病風神”、“疾病風神”!》
その弐挺が、立て続けに火を吹く。二体の風の邪神の名を冠した拳銃から放たれた銃弾は、過たず────暴風と化して包囲を突き破る。
『ギャァアァァァァ!』
『ギィイイイイイィ!』
そして、天地より絶叫が木霊する。地べたから触手を伸ばす“触手海神”と、天井に張り付きながら蛇の髪を伸ばす“毒蛇髪神”が。
その銃弾に仕込まれた呪詛に、風の刃に触手と蛇を寸断されつつ。本来ならば、損傷した端から再生する筈のその二つだが────疫病疾病を媒介する“邪悪なる双子”はそれを許さない。
何より、その銃弾は繰り返し二体を狙う。風の導引に従いながら、何度でも。
《飢える、飢える、“風の皇子”。飢える、飢える、牡牛座第四番惑星……》
その翻弄する隙に、黄衣の王は魔導書と『コンテンダー=アンコール』を構える。装填されたのは、長銃用の強装弾。その一発に、呪を籠める。
《────喰らえ、喰らえ、“風王の爪牙”!》
放たれた徹甲弾が、大気の戒めを破る。星を渡る風である“風の皇太子”の加護を受けて、音速の壁を貫き目にも留まらない。
『ア──────ギ!??』
一閃を躱す事も、反応する事すら出来ずに“触手海神”が撃ち抜かれて────余りの速さに伴う衝撃波によって、細切れに粉砕された。無論、再生する暇もなく死滅した。
更に、徹甲弾が鋭角|に《・
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