第一部 学園都市篇
第3章 禁書目録
七月二十七日・夜:『剣理:殺人刀』
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るより明らかだ。では、どうやって乗り切るか。対馬嚆矢は、何に頼るべきか。
《死ねェェェェェェェいッッッ!》
裂帛の気合いと共に、その死が。猛毒の槍が、真っ直ぐに突き出された───────
………………
…………
……
気絶しているセーラー服の女学生を背後に、自らが巻き起こした風が巻き上げた緑色の灰を払う。異星生物の死骸の燃え滓だ、穢らわしくて堪らない。
しかし、それでも。目の前に邪悪が有るのであれば────討つ。それが、彼女の……『邪悪を討つ力としてに転写された』“セラエノ断章”の存在する理由なのだから。
「……成る程、そうか。君が、『彼女』が言っていた『米国協同協会』か……」
右腕を喪った医師が、黒い血をボト、ボトと落としながら。ニタニタと、癇に障る笑顔のままで。
何でもないとばかりに、左手に新たな棘を構えて。
狂信だけでは土台、説明がつかない。では、それは。
「そうか。あんたも、もう化け物か」
「クッククク……確かに。確かに、化け物さ」
答えた刹那──繰り出された、竜巻を纏うセラの後ろ回し蹴りにより、ポロリと首が落ちた。
ニタニタと、癇に障る笑顔のままで。そう、コレもまた、怪物と化したモノ。
「おい、助けに……が、おい、なんだコレ……グラーキ黙示録が、アガ!?」
「くそ、くそっ! なん、コレ……グァァァァッ!!」
更に、二体。逃げなかった二体、蛇髪の女と触手足の男が合流する。同じく化け物、これで三体。何と面倒な話か。
そんな化け物二人が、一斉に苦しみ出す。頭の蛇が、足の触手が、まだまともな人間だった部分を浸蝕していく。
「莫迦どもが……魔導書を裏切ろうとするからだ」
そう、魔導書とは自ら持ち主を選ぶ。だから、同様に見限る事もある。一度でも裏切ろうとしたのなら……最早、後は。
『グ、ルァァァァ……』
『オォォおォォォ……』
全身を蛇に、触手に変えて。既に人格など残っていないだろう。瘴気そのもの、邪悪に染まって。
ならば、応える他に在るまい。空いた左手で、フードを目深に被って。
「風をもたらせ────」
ゆるりと、前に突き出した右手。そこに集う風、孕む紙片が形を為す。一冊の、黄色い表紙の魔導書を。
それを開く。開いた頁を顔に宛てて、その呪文を
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