プロローグ
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ティコンは壊滅し、創造主はオートボットのリーダーが宇宙の彼方へ道連れにして追放したことで終結した。
現在は、ディセプティコンの残党と、それを追うリーダー不在のオートボット。そして、創造主から解放された金属の恐竜となって秘境の奥に姿を消したダイナボットの三種類のトランスフォーマーがいる。
極め付けは、四十年程前から続くショッカーと名乗るカルト集団の非人道的な殺人事件が連日報道され、最近はグローバルフリーズだっけか、まあそんな事件が起きてて人々は怪獣と狂信者の所業にビクビクしながら生活しているわけだよ。
それとおまけ程度だが、十年前に突如発生した世界中のミサイル基地がハッキングされ、日本に大量に向かったミサイルを宇宙開発用パワードスーツ『インフィニット・ストラトス』、通称ISの活躍によって阻止された事件。
その事件の影響で、一部地域を除いた世界は女尊男卑な風潮へと様変わりしてしまったことだな。
「……ってなことがあって、今の地球はお先真っ暗な状況なんだよ。で、そんな状況なのに関わらず、既に聖杯は解体されて魔術的な価値なんてほとんどないこの街に来た、自称魔術師たる君の目的は何かな?」
一息に説明を終えた青年は、カップに注がれたコーヒーを乾いた喉を潤すために飲みこむ。
「うるせえ!そんな出鱈目を信じるか!?この世界は、オリ主たる俺のもんだ!俺が主人公なんだ!!」
青年の説明に対し、相対していた少年は苛立ちを隠さずにテーブルを叩いて怒気を表す。
よく見ると癇癪を起している少年は、日本人らしからぬ銀髪に左右で色が違うオッドアイという出で立ちでシルバーアクセサリやヘヴィメタ調の服装なのに対し、青年はアジア系の顔立ちでありながら金髪なのを除けば、メガネをかけたジーパンに紺色のパーカーを羽織っている服装で平凡な雰囲気を醸し出している。
彼の周囲の空間に、幾つもの波紋が浮き出してその中からきらびやかな武器が現れる。
「食らいやがれ!!『ゲート・オブ・バビロン』だ!!」
座っている青年を目掛けて、武器が射出される。
轟音を立て、室内を揺るがすと白煙が漂う中で少年は勝ち誇った笑みを浮かべる。
「ならば、言ってやろう……」
『ソイヤ!カチドキ・アームズ!いざ出陣・エイエイオー!』
「理想を抱いたまま、溺死するがいい」
だが、その笑みは白煙の中から響いた声と電子音声によって掻き消される。
白煙が晴れると、そこには紺色のスーツの上に橙色の甲冑を纏い、さながら戦国時代の武将を思い起こす姿となった青年が、手に持つ大砲にベルトに填められていた半透明の橙色の錠前を外し、砲身に装填しているところだった。
『ロックオン!カチドキ・チャージ!』
「クソッ!?」
それに気付い
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