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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第13話:偶には休暇も必要だ
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ご用件とは、一体なんでしょうか?」
努めて冷静に、そして客人の前なので礼儀正しく尋ねる。
主君と家臣が“なぁなぁ”な関係だと思われては支障があるのだ。

「うん。おい……アレは持ってきたんだろうな?」
俺の問いかけに笑顔で頷き、客人に視線を向けて何かを出させるリュカさん。
一体何が飛び出てくることやら……

「これを……」
ライゼ副社長が懐から白い封筒を1通取り出し俺に差し出してきた。
何の事だか解らないがリュカさんに視線を向けて問いかける。

「受け取って中を見てみろ」
しかしリュカさんは説明をすることなく、何時もの爽やかな笑顔のまま得体の知れない封筒を受け取る様に指示をする。

どうしよう……
封筒の中には“お前ウォンダー・トラベル社の社員を兼業しろ。そして同社を発展させろ”とか書いた辞令が入ってたら!
やっと今手掛けてる仕事が波に乗ってきたのに、これ以上仕事を増やされても地獄なんですけど!

俺は恐る恐る封筒を開け中に入ってる紙を取り出し目を通す。
そして俺の目に入ってきた文字は……
『豪華客船ルクスリエース・バンデ号乗船券』と『アイリング海クルーズツアー』と書かれたチケットが3枚ずつ入っていた。

「……何これ?」
全然意味が解らん。
ルクスリエース・バンデ号とは、ウォンダー・トラベル社が世界に誇る最新式豪華客船で、アイリング海とは、新国家アリアハンを中心とする海域のことを示唆する。

旅行好きが見たら唸り声を上げそうなチケットが3組……
俺に渡してどうしろと言うのだろうか?
何かの調査か? それとも嫌がらせか? 忙しい俺にバカンスのチケットを見せて『僕、その旅行に行ってくるから、後のことはよろしく〜』とか言うつもりなのか!?

「そのチケット高いんだよ。結構僕バイト頑張ったんだから」
日雇い労働者プーサンが新たに建設を始めたスタジアム工事の請負会社の人員募集に、夜勤労働者として参加してるのは知ってたが、これを買う為にだったのか? 俺に見せびらかす為にだったのか!?

「あの……説明をお願いしたいのですが!」
一応説明は聞こう……
でも、ふざけたことをぬかしやがったら殴る。客人の前だろうが、俺の実力じゃ当たらなかろうが殴る!

「うん。ウルフは何時も頑張ってるから、パパからのプレゼントだよ。彼女等を連れて楽しんできなさい。丁度来月のチケットだから、仕事を一段落させて休暇を取りなさい」
……え、プレゼント? え、休暇!?

俺はリュカさんの言葉を聞き、用意してた拳から力が抜けた。
そして慌ててもう一度チケットに視線を落とす。
3枚ずつ……つまり3人分。俺とマリーとリューノ……丁度3人だ!

「あ……ありがとうございますリュカさん!!」
顔を上げリュカさんに慌てて
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