第5部
紅桜編
第66話 初めて使うキャラは大概扱いに苦労する
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!」
「お兄さん? 俺飲み物の話してんだけどぉ、しかも辛い物ってなんだよ!」
どうやらこの依頼主は全く人の話を聞かない類のようだ。かなり面倒臭い相手のようである。もうこの際冷たい飲み物を求めるのは諦めよう。こうなればさっさと依頼を終えて自宅の冷蔵庫で冷やしているいちご牛乳を飲む事にしよう。
自身の脳内で決定づけた後、銀時は主に導かれるがままに屋内へと案内された。
鍛冶屋と言うだけあり家内は質素な物であった。廃刀令の煽りを受けた為であろう。部屋の中はがらんとしており、何処か殺風景な感じを受ける。
古き良き掘立の囲炉裏に吊るし式の鍋。部屋の壁沿いには古びたタンスなどが置かれており、正に古き良き江戸の家屋を連想させる佇まいであった。
「んじゃ、早速仕事の話と行きますか」
「あい分かった。その前にここで自己紹介をさせていただこう!!!」
気のせいかさっきよりも声の音量が増してる気がする。正直目の前で聞いてるだけでも相当喧しい。
が、この男に言った所で無駄であろう。此処は我慢するしかない。
「私はここで刀鍛冶をやっております村田鉄矢と申します。そして隣にいるのが私の妹の……」
依頼主こと鉄矢が隣の人物を紹介しようとした矢先、例の妹と呼ばれた女性は銀時に対しそっぽを向いてしまった。どうやら彼女は兄の様なぶっ飛んだ性格はしていないようだ。其処には内心ホッとする銀時でもあった。
「こらぁ、鉄子ぉぉぉ!!! ちゃんと自己紹介しなきゃダメだろうが!!! それじゃ、銀さんお前の事なんて呼べば良いのかわからなくなってしまうぞぉ!!!!」
「お兄さん、もう名前言っちゃってますから。呼び名に困る事有りませんから」
「すみませんねぇ、こいつシャイなもんでして。他人を前にするとどうしても引っ込み思案になっちまうあんちきしょうなんですよ!!!」
「あっそう。お兄さんも妹さんを見習った方が良いと思いますよ」
「でね、早速仕事の話に移りたいと思うんですけどぉ!!!!」
「おぉい、人の話は全部スルーかよ。お前会話スキルどんだけ低いんだよコノヤロー」
予想はしていたが自分の話題は全く拾ってくれない上に自分の話題だけを優先して話したがる。妹の鉄子とは違い兄鉄矢は相当面倒くさい輩だった。
こりゃ今回の依頼は相当面倒な事になりそうな予感がする。そう思い冷や汗を流す銀時を余所に鉄也は話を始めた。
***
「と、言う訳なのですがお分かりいただけましたかなぁ!!!」
「あぁ、分かったよ。要するにお宅ん家から盗まれた刀を取り戻せって話だろ?」
「その刀の名前がですねぇ!!!」
「また一から説明する気かよ! もう良いよ。地の文に説明させっからあんたは黙っててくれ!」
今回の
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