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駄目親父としっかり娘の珍道中
第5部
紅桜編
第66話 初めて使うキャラは大概扱いに苦労する
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示しているのだ。

「ま、まさか……桂さんの身に何かが!?」

 事の重大さに気づいた新八の目が強張る。
【今朝、橋の上で見つけた】そんな新八の目の前にそう書かれた板を見せる。まさか、あの桂小太郎が辻斬りにやられたと言うのだろうか。
 いや、有り得ない。桂小太郎と言えばあの坂田銀時と共に攘夷戦争を戦い抜いた強者。そんな彼が辻斬り程度にやられる筈がない。
 だが、もしその辻斬りがそれほどの腕を持っているのだとしたら。
 今回のシリアスパートはかなりやばそうな雰囲気がしてきた。そんなメタい考えを頭の中で過らせる新八であった。




     ***




 昼間から喧しい金槌の音と炉の熱気がむんむんと伝わってくる。ただでさえ暑い時期だと言うのに鍛冶屋はまるでサウナ状態であった。
 刀鍛冶の仕事は正にそんな状態との戦いであった。暑い夏の日であっても、寒い冬の日であっても、熱い炉と熱した鉄との戦いなのであった。

「ったく、あっちぃなぁ」

 そんな熱気むんむんな場所に銀時は訪れていた。本来なら絶対来ないのであろうが、何せ仕事である以上仕方がない。我慢しながら中を見ていると、これまた盛大に刀を作っている真っ最中だったようだ。熱せられた鉄を金槌で叩き精錬している最中のようだ。
 まぁ、どんな状態だろうと銀時には関係ない。さっさと仕事を終わらせてこんな暑苦しい場所とはおさらばしたいのだ。

「あのぉ、すみません! お電話頂いた万事屋なんですけどぉ?」
「はぁ、何だってぇ? 良く聞こえないよぉ」
「すみません! 万事屋ですけどぉ!」
「あぁ、牛乳屋さん? 悪いけどまた今度にしてくんない。今家冷蔵庫壊れてて牛乳仕舞えないんだよぉ!」

 全然耳に入っていない状態であった。仕舞には牛乳屋さんと誤解されてしまっているようだ。
 ちょっぴり苛立った銀時。

「ば〜かば〜かず〜んぼ……ま、どうせ聞こえてねぇだろうけどな」

 大声で言ったって聞こえないだろうし、小声で愚痴零したって聞こえる筈はないだろう。そう思っていた銀時の目の前に熱々に熱せられた金槌が勢いよく回転しながら突っ込んできたのは言うまでもない事であった。

「いやぁ、これはこれは、わざわざ遠くから有難うございます!! 先ほどお電話した万事屋さんで間違いないですかな!!」
「は、はい……そうですけど……いてぇ」

 おもいきり金槌が顔面に直撃したので銀時の右目部分は青く変色してしまっていた。

「ささっ、立ち話もあれなんで中に入って下さい。話は中でいたしますので!!」
「へいへい、あぁ別に粗茶とか要りませんよ。俺はいちご牛乳とかもらえればそれで良いんでぇ」
「えぇ!! 分かってますよ。こんな暑い時期は辛い物が食べたいですよねぇ!
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