第5部
紅桜編
第66話 初めて使うキャラは大概扱いに苦労する
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当面の問題はやはり目の前に居るエリザベスただ一人であった。
「さて、残る問題はこいつだけだが……どうするよ」
「どうするよって、相手が何も言わないんじゃ話になりませんよ。いっそコーヒーでも出します?」
「いやいや、粗茶出したんだぞ! その上コーヒーなんてどんだけ贅沢なんだよ! 大体茶一杯出すんだって結構手間と金掛かってんだぞ! 俺ぁやだね。出すんだったらてめぇが自腹で出せ」
「あんたオーナーの癖に何けち臭い事言ってんだよ!普段からいちご牛乳やコーヒー牛乳やら飲みまくってる癖してぇ!」
「んだごらぁ! いちご牛乳様とコーヒー牛乳様を愚弄するんじゃねぇ!」
とうとうエリザベスそっちのけで銀時と新八の激しい論争が勃発してしまった。今、互いの目には互いしか見えていない。
そんな二人の空しいまでの口論にエリザベスはかつて、桂に言われた言葉を思い出していた。
【武士たるもの質素な物を好まなくてはならない。いちご牛乳やらパフェなる不埒な物を食していては、体だけでなく心も堕落してしまうであろう】
主である桂がとある蕎麦屋にてエリザベスに残した言葉であった。
その言葉がエリザベスの胸に深く突き刺さったのだ。滴が零れ落ちた。
瞳から熱い滴が零れ落ち、机を濡らしたのだ。
その光景をたまたま目撃した銀時と新八は歓喜した。どうやら反応があった事に喜びを感じていたのだ。
まぁ、これを喜んでいいのか悪いのかはその時の心境に任せるしかないのだが。
突如、喧しい限りの電話が鳴り響く。その音に、普段は鈍感な反応しかしない銀時であったが、今回だけは敏感に反応した。
「はい、こちら万事屋銀ちゃんですぅ。あ、お仕事ですねぇ、直ちにお伺いしますねぇ」
「あ、銀さん汚ぇ! 自分だけ仕事で逃げる気ですかぁ!」
「っつぅ訳でぇ、俺これから仕事だからそいつの対応頼むぜぱっつぁん」
「え? 僕一人でですかぁ!」
完全に厄介ごとを押し付けられる状況となってしまっていた。現在エリザベスの応対は自分ひとりでやるしかない。銀時は仕事と言う名目で現場から逃げ出し、なのはは定春の散歩に夢中なので暫くは帰って来ないだろうし、神楽は現在進行形で風邪状態なので動ける筈がないだろうし、何でこう毎回面倒事は自分に回ってくるのだろうか?
これってもしかして神のいたずらか何か?
神様、もしかして僕の事嫌いなの?
天に向かい慈悲を乞おうと天井を眺めていた正にそんな矢先の事だった。エリザベスが動いたのだ。
ゆっくりと手を口の中へと伸ばして行き、そして何かを取り出したのだ。
「え? 何を出したの」
繁々を見てみると、それは血で汚れたお守りであった。そして、それをエリザベスが大事そうに持っている事は即ち、桂の身に何かが起こった事を指
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