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駄目親父としっかり娘の珍道中
第5部
紅桜編
第66話 初めて使うキャラは大概扱いに苦労する
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もなくかの桂小太郎のペットとされているエリザベスその人であった。

「そ、粗茶でございます」

 エリザベスの目の前にさりげなくそっと新八は茶を差し出した。来客にはまずお茶を差し出す。一般的な常識とも言える。
 だが、その常識が果たしてエリザベスに通用するのかは甚だ疑問ではあるのだが。

「あのぉ……ご用件はなんでしょうか?」

 このままだんまりを決め込まれると流石に居づらくなる。何で自分の家でこんな居心地の悪さを感じなければならないのか。半ば歯痒さを感じつつもとっととお帰り願う為に銀時は遭えて聞いてみる事にした。
 だが、その言葉にエリザベスは一向に応える気配を見せない。
 と、言うのもエリザベスは本来喋らないのだ。こいつが意志を伝える手段は常日頃から持ち歩いている木の板に今の心情を書き抜いて相手に見せると言う至極面倒くさいと言うか小説泣かせとも言うべき方法を用いているのだ。
 はっきり言って面倒この上ないのである。

「おいおい、何だってんだよあいつはよぉ。何で自分家でこんな居心地の悪さを感じなきゃなんねぇの?」
「知りませんよ。さっきからずっと黙り込んじゃってて何を言いたいのか皆目見当がつかないんですから」
「っつぅかあれじゃね? お前の淹れた不味い茶が飲みたくなかったんじゃね?」
「なっ! 何言うんですか? 僕はちゃんと淹れましたよ。文句があるなら銀さんが淹れてきて下さいよ」

 小声で論争しあう銀時と新八。二進も三進も行かぬ状況で疲弊しきった神経が互いに擦れあい、ささくれあったハートに火がついて互いに激突してしまったのだ。
 と、何時までも無駄な言い争いをしている場合ではない。こうなればとっとと要件を聞いてさっさと退出願いたいところだ。

「とりあえずあれだ。茶を持ってきたのがお前みたいな地味な男だったから不味かったんだよ。きっとあれだよ。もっと可愛くてプリチーなおにゃの子に淹れて欲しかったんだよきっとよぉ」
「って言ってますけどねぇ、今現在家の可愛くてプリチーな子って言ったら―――」

 言葉を区切り、新八は襖で仕切られた方を見た。その向こう側で一体何が起こっているのだろうか。

「ぶえぇっくしぃぃぃ!」

 はい、今のくしゃみで既にご理解頂けたであろう。現在、万事屋の力仕事担当兼原作ヒロイン的ポジションに当たる神楽が夏風邪を引いてしまいダウンしていたのだ。
 んで、その看病になのはがやっているのだが今回の夏風邪は相当レベルが高いらしく中々治らないのが現状のようだ。

「う〜〜〜、頭がガンガンするアル。これって二日酔いアルかぁ?」
「只の夏風邪だよ神楽ちゃん。暑いからってお腹出して寝るから風引くんだよ」

 もっともな意見である。これを読んでる読者の皆様も暑いからと言ってお腹
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