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FAIRY TAIL ―Memory Jewel―
第1章 薔薇の女帝編
Story7 棘のある罠には十分ご注意下さい。
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―闇ギルド 薔薇の女帝(ローゼンエンプレス)

「・・・ん・・・・」

暗がりの中、イブキは鈍い頭痛で意識を取り戻した。

「はっ?・・・どうなってんだ、コレ・・・・?」

痛む後頭部を摩ろうとして右手を動かすと、なぜか左手も一緒に引っ張られてセットでついてきた。目の前で手を止めると、両手首が銀色の手錠で繋がれていた。

「・・・更に何なんだよ、コレ?」

ぼやきながらゆっくりと体を起こすと、見覚えの無い部屋の冷たくて硬いベッドの上にイブキは寝かされていた。部屋の中は薄暗い故に、狭くてかび臭い臭いがツゥンと鼻にきた。ベッド以外に余計な家具や物は一切無く、壁や床はひんやりと冷たい。
手錠の掛かった両手を動かし、痛む後頭部を摩ると、髪に潜らせた右手の指に乾いた血が剥がれて付いた。どうやら傷になっているみたいだ。

「おいおいおい・・・」

とりあえず、今自分が置かれている状況を確認しようとベッドを降り、立ち上がって歩こうと左足を動かしたが、手錠で繋がれている為セットで動く両手首とは違って、左足を動かなかった。まさか、と思って視線を足元に移すと、両足首が鉄球が付いた銀色の足枷で繋がれていた。

「・・・更に更に何なんだよ、コレ?俺は囚人じゃねーし、なった覚えもねェぞ?」

ともかく、身動きが取れない状況、という事だけを理解したイブキはベッドに腰掛け、この囚人状態になる前の出来事を思い出そうと脳裏の記憶を片っ端から探り出す。

(えー・・・っと確か俺は、ウェンディとシャルルと一緒に、【薔薇の手入れの手伝い 40万J】っつー依頼をしにローズの街に来て、依頼主の家の薔薇の手入れをしてたら・・・・あれ?それからどーしたんだっけ?)

記憶を失っているエメラではないが、どうやら後頭部を殴られたせいで記憶が少し曖昧になっているようだ。

「そういや、ウェンディとシャルルはドコだ?」

暗がりとは言え、部屋の中は狭い。人がいれば気配ですぐに気づくはずなのだが・・・どうやら部屋の中にはイブキだけしかいないらしい。

「俺がこの状態っつー事は、ウェンディとシャルルも違う場所で同じ状態になってる可能性が高いな。・・・それと同時に、あの依頼は()()()依頼じゃねェって事も分かる。」

1人呟きながらいろいろ推理をしていたその時、コンコンと部屋にノックの音が響いた。客あしらいをキッチリ仕込まれたノックの音に、イブキは鼻を鳴らした。

「勝手に入ったらどーだ?その扉、どーせこっちからは開け閉め出来ねェ造りになってんだろ?」

皮肉混じりに返事をすると、やはり仕込まれたタイミングと所作(しょさ)で鉄製の扉が開いた。

「お目覚めになられましたか。」
「やっとーっ、起きたーっ。どんだけーっ
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