第八章
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いだろうけれど」
そのやり方についても否定はしなかった。しかしである。
「それよりもね。女の子を何も言わずに立てるっていうのもね」
「男の甲斐性ってか」
「そういうことか」
「そう思うけれどね」
こう話す康史であった。実は彼は全てわかっていて鈴と共にいたのであった。しかしそれはあえて言葉には出さない。そうしていたのである。
そしてその彼のポケットから明るい音楽が流れてきた。今流行りの曲の着メロである。
「おい、携帯鳴ったぞ」
「工藤からじゃないのか?」
「あっ、本当だ」
携帯を取り出してチェックするとその通りであった。彼女からのメールであった。
それを見るとだ。今日の放課後またデートしようと誘ってきていた。
それを見た康史はだ。微笑んで言うのであった。
「じゃあ今日もね」
その微笑みは何処までも優しい。全てをわかったうえで受け入れている、そうした微笑みをたたえながら彼女からの携帯のメールを見ている彼であった。
静かに主導権を 完
2010・1・16
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