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不可能男との約束
祭の終幕と夢の開幕
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く裏しかない。

……いや、だが、逆に二人がまともになったら怖いで御座るな。

もしもあの二人に例えば「点蔵、大丈夫?」などと心配されたらストレスで崩れ落ちる未来しかない。
だが、そういった心配の間に思わず脳がと括弧で加えそうになってしまうのは慣れだろうか。
恐ろしい症状だ。武蔵病とも言える疾患だ。何とかしなければ。問題は治療する医者不足な事なのだが。

「どうかしました? 点蔵様?」

「え?」

いきなりの呼びかけだったので、声に呼ばれるままに視線を向けるとそこには尻があった。
おお、これはまっこと見事な立体。
流石は傷有り殿。精進を怠っていない素晴らしい立体をお持ちで。

って、これは明らかに変質者の思考で御座るよーーー!

いかんいかん。
自分、少し傷有り殿に対して甘え過ぎではないか。
彼女が器が広い事を利用して、このような下心で接するとは……トーリ菌はしっしっで御座るよ。

「い、いや……その……装いを見て、改めて見事かと」

「まぁ」

嬉しそうに微笑んでくれているのは、本気にされていないのか。もしくはお世辞と思われているのか。
まぁ、自分でも流石に無理があるし、キャラではないと自覚しているのでそんなものであろうと思う。
気を付けなくては。
尻を見て発情期になるような獣みたいになってはいけないのだ。





「はぁ、はぁ……流石、我が娘……! 他のどうでもいいケダモノ集団にわざわざ笑顔を振り撒くなんて……父さん許しませんよ! 娘の尻を見ても罪に問われないのは父の特権! あの餓鬼共は去勢を───はっ。ハルさん!? どうしてこの場所を!? これは授業参観ですよ!?」






ケダモノになるのはいけない。
大体、そういうのはミトツダイラ殿やシュウ殿がいるのでキャラ被りで御座るよ。
そう思っていたら

「こちらです。こちらに点蔵様にお見せしたいものがあります」

傷有り殿が示した先をそのまま見るとそこは明らかに

「部屋で御座るか?」

一見すると普通の部屋の扉にしか見えない。
それに傷有り殿はjud.と笑みと共に答え

「八畳くらいの書斎です」

誰ので? と問おうと思ったら、彼女は懐から鍵を取り出してそのまま扉を開けるために使用した。
流石に疑問を浮かべる事は禁じ得なかった。
鍵を使ったという事は、この部屋は一般に対して公開するものではない。つまり、隠しているものなのだ。
そんな部屋の鍵を傷有り殿が持っているという事は、彼女が英国に情報閲覧の公開の許可を得れる程度の力か繋がりを持っている事になる。
それに対して、何かを問うべきかと考え

「───」

選ばなかったのか、選べなかったのかを少し考え、部屋に入った。


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