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不可能男との約束
祭の終幕と夢の開幕
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背後からの落下音が背中に直撃するが当然当たりはしない。
大事がなくて何よりであると思い、抱えている子供達をとりあえず下し、出来る限り気楽に

「危のう御座るよ?」

そう告げて子供達がゆっくりだがじっくりと理解したという風に頷くのを見て自分も頷き、ゆっくり離れる。
既に子供達の背後から彼らの親と思わしき大人が駆け寄っているのを見ている。
なら目立たない事を主義とする忍者は離脱すべし、と思い離れ

「すっげーーよ母ちゃん! 何かすっげー忍者のお兄さんに助けて貰ったよ!? 何故か犬の臭いしたけど!」

子供とは素直なもので御座るな、と点蔵は内心に刺さる刃を引き抜きつつ場から離れる。

さて……傷有り殿は……

「点蔵様!」

どこにいるやら? と思う前に人の流れを挟んだ向こうの濠向かいのアーケードから金髪の少女がこちらに手を挙げながら走り寄ってくる。
それに自分も自然と近づこうとして

「……?」

何か小さな違和感を覚える。
些細な違和感ではあると思うのだが、それを偶然にも重ねて見つけたが故に見つけた偶然のような感じ。
だけど意味が分からない違和感であったので気にする事ではないと思い、怪我の有無だけを聞こうと思い彼女に小走りで近付き、彼女も迎えるようにこっちに走り

「御無事で何よりでした……!」

そのままぶつかるように自分の懐に潜り込んで引っ付き、細い両腕をこちらの背中に回した。
つまりは抱きついてきた。



ハッピーハッピー!! はっ、い、いやけしからハッピー!

本能に抗えておらんで御座るよ!? と自分にツッコミを入れて現実逃避をするがあわあわと体がガチガチに───ならずに何故か反射的に抱き着いてきた彼女をそのまま突き放した。
それも少々乱暴と言ってもいいレベルに押し出した。
こちらの態度に傷有り殿の表情は分かり易く悲しい、というよりショックというような表情を浮かべるが逆に表情を注視していた為に気付く。

───彼女の髪に白の水連がない事に。

視覚的な証拠を見つけた事により違和は確信へと至った。
膝を曲げ、腰に差している短刀に右の手を添え、何時でも抜けるようにする。
明らかな敵対行為に彼女の顔は何故? という悲哀に塗り潰されていくが騙されるつもりはない。
例え、白の水連が偶々落としただけだとしても彼女はおかしな位置にいた。
彼女の位置はまるで危険から逃げるような場所に避難していた。
無論、これが一般人なら正しい行為である。
しかし、自分は知っている。
彼女が術式使いとして強力な使い手であると共に

傷有り殿は理不尽な恐怖に立ち止まる者に手を差し伸べる人間で御座る!

輸送艦が落ちてくる中、巨大な質量に対して迷うことなく周りの震えている子供の為に
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