第六章 颶風の巫女
第1話 修学旅行
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の影は士道と上条を挟むように落下した。
そして、嵐が止んだ。
?「く、くくくくく……」
と、右側から士道達と同じ年ぐらいの橙色の髪に水銀色の瞳、そして長い髪を結い上げた少女が不敵に笑いながら歩みでてくる。
?「やるではないか夕弦。さすがは我が半身と言っておこう。この我と25勝25敗49分で戦績を分けているだけのことはある。だが、それを今日で終いだ」
と、それに応ずるように左側から人影が進み出てきた。
??「反論。この100戦目を制するのは耶倶矢ではなく夕弦です」
こちらは長い髪を三つ編みにくくった少女である。耶倶矢と呼ばれた少女と瓜二つの顔をしているのだが、その表情はどこか気怠そうな半眼だった。
耶倶矢「ふ、ほざきおるわ。いい加減真の八舞に相応しき精霊は我と認めたらどうだ?」
夕弦「否定。生き残るのは夕弦です。耶倶矢に八舞の名はふさわしくありません」
………
その後、数分の言い争いが始まった。
耶倶矢「漆黒に沈め!はぁぁッ!」
夕弦「突進。えいやー」
裂帛の気合いと気の抜けた声とともに全く同時に地を蹴った。
二人の会話をほとんど聞き流していた士道と上条は、それは突然のことに思え、ついこう叫んでしまった。
士道「待てぇぇぇ!!」
『……!?』
士道の言葉によって二人はピタリと静止する。
耶倶矢「人間……だと?まさか。我らが戦場に足を踏み入れるとは何者だ?」
夕弦「驚嘆。驚きを隠せません」
どうやら士道達の存在には気付いていなかったらしい。
と、そこで右耳から眠たげな声が聞こえてきた。
令音『シン、聞こえるかい?』
士道「!令音さん!」
令音『ようやく通じたね。一体どこにいるんだい?上条君も一緒かね?』
士道「それがーー」
士道は今の状況を話す。
令音『……風の中に二人の精霊ーーまさか』
士道「な、何か心当たりが……?」
と、令音の会話を遮るように上条が口を開いた。
上条「そういや、さっきから真の八舞とか、戦場とか言ってるけど、一体何のことだ?」
問うと、耶倶矢が視線を鋭くして口を開いた。
耶倶矢「決闘のことだ。我らの命運を定める決闘によくも水入りをしてくれたな。どう責任をーー」
と、耶倶矢は何かに気付いたように「あっ」と声を漏らした。
耶倶矢「そうか……これなら」
夕弦「疑問。どうしたのですか?」
夕弦が問うと耶倶矢は夕弦に顔を向けた。
耶倶矢「くく……良い方法を思いついたぞ、夕弦よ。我と貴様は様々な勝負をしてきた。それこそ、思い当たる種目がないくらいにな。だが……まだ一つ、勝敗を決してないものがあるとは思わぬか?」
夕弦「疑問。
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