第29話 後悔先に立たず
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俺からの質問である
「サイト。もしかして皿洗いのアルバイトでここまできたのか?」
「ルイズについてきたんだ。ルイズならあそこにいるよ」
そう指を刺された方向を見ると、確かにルイズと、トリステイン魔法学院で見覚えがある黒髪のメイドがいた。今は私服だが、黒髪は珍しいから、見間違いないだろう。
「なんで、ルイズが戦地なんかに来ているんだ?」
「女王直属の女官なんで、その命令だそうで」
「ルイズが女王直属の女官ね。そんなものにいつなったんだ?」
「確か、俺がこちらにきて1か月ちょっとした頃」
忘れていた記憶をたどってみると、そういえば、サイトとギーシュを拾った覚えがあるなぁ。その時漏らしたアルビオンのことやら、ルイズの惚れ薬騒動では、サイトが女王に会えるという言葉を思い出した。そうなると、戦地に赴く女官とは、何をさすのやらと考えると謎なんだが、考えるだけ無駄と、この関係の話はやめることにした。
この場にギーシュがいることから、自分の勲章の自慢話や、相手陣地から脱走だから、こちらの戦勝ムードだのと話がでてきている。
しかし、俺としては、少々懐疑的だ。シティオブサウスゴータの食糧がなくなっていたことから、こちらの補給に負荷をかけてきていることは確かだ。籠城戦とみせかけて、今は無いアルビオン王家のように、拠点を移し替えることも考えられる。そうすると、戦争が長引くのは必至だ。長期戦にもちこまれたらトリステインに、それだけの資金力が残っているかは、かなり難しい。昨年内に戦争が終結していないことから、多分借金をどこかからし始めているはずだ。それが雪だるま式に増えていく。そうすれば、国の財政の問題で、戦争が続けられなくなるのが見えてくる。あまり悪い予想なので、言葉はひかえているが、そんなものだ。
そうして考えながらギーシュを中心とした話に、サイトが突然割り込んだ。
「まったく! お前ら、ばっかじゃねえの!」
「な! 誰がバカなんだね! どうしてバカなんだね!」
ギーシュが問い返すのもわかるが、サイトは何を言いたいんだ?
「いーかげんにしろって言ってんだよ! なーにが、戦で手柄を立てて、モンモランシーに認めてもらうんだよ。アホか! 死んだらどーすんだよ。モンモンにしてみりゃ、そっちのほうが問題だろ」
「ぼ、ぼくの行ないを、ぶ、侮辱するかぁ!」
「サイト。モンモランシーの使い魔として、言わせてもらう」
まわりが一瞬シーンとしている中で発言したものだから、人間の使い魔が? っていう雰囲気と、サイト以外にもいたのか? という視線をむけてくる者も多かった。
「ギーシュが戦死すれば、モンモランシーは一時的に悲しむかもしれないが、彼氏でもないギーシュにはそれぐらいで、そうなれば別な貴族
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