第29話 後悔先に立たず
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はあるが『ギアス』の魔法をかけて、何をしていたのか聞いてみることにした。凍死されるとこまるので、かけた雪はどけてだが。
「ワルド元隊長。おひさしぶりです」
「ああ。ジャック君だったね」
「ここで何をしていたのですか?」
「シェフィールド……そちらの女性の護衛だ」
「ちなみに真ん中で横になっている女性は?」
「マチルダ・オブ・サウスゴータ。同じく護衛だ」
サウスゴータの領主か? 護衛とはおかしいが、そこは気にかけるべきところじゃない。
「それで、 シェフィールドはここで何をしているのか、知っているのか?」
「街を1つ操るとのことだ」
そんなことが可能なのかと思ったが、水の精霊が秘宝としているだけあって、それぐらいの能力を占めていても不思議ではない。細かいところは、 シェフィールドに聞くとして
「どうして、トリステイン王国を裏切って、レコン・キスタについたのですか?」
ワルド元隊長に聞いてみたかったのは、このことだ。そうして戻ってきた返答は長かった。
気が狂っていたとはいえ、自分の母親を階段から突き落として殺してしまったことで、魔法や剣に一生懸命打ち込んで、魔法衛士隊に入ったのち、20歳の時に、母親の部屋を整理して出てきた日記帳に、「『聖地』へ行って」という言葉が書かれているのを、せめてもの罪滅ぼしとして実現しようとしたが、魔法衛士隊を長期にわたって休暇が取れる身分ではなくなったこと。『聖戦』もしばらくはおこりそうにないし、レコン・キスタの『聖地』を取り戻す、という言葉にのってみたということだ。
余計なことに、俺との手合せが多かったのは、俺も母親を小さいころになくなっていたので、それで周りにはいじめにしか見えない、手合せをしていた。余計なお世話だといいたいが、現在の俺の技量が高まったのは、ワルド元隊長が相手をしてくれた、というのも事実だからなぁ。
俺の中では、ワルド元隊長のことは、始祖の降臨祭ということもあり、見逃すことにした。
たいして、街を1つ操るということをやりそうな、 シェフィールドという女性にむかって『ギアス』をかける。
「シェフィールドと言ったな。本名か?」
「本名だ」
「所属を教えろ」
「ガリア王国 ジョゼフ王の使い魔 ミュズニトニルン」
レコン・キスタと関係しているのが、ガリア王国だと……俺は、聞かなければよかったと後悔した。
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