暁 〜小説投稿サイト〜
魔法薬を好きなように
第29話 後悔先に立たず
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る感覚に反応した。一機に酔いがさめて方向などを感じると、山岳の方だ。いわゆる水源地といわれる泉か何かのそばでテントでも張って寝ているのだろう。体内のアルコールはどれくらいかを考えて、宿舎で酔い覚ましの魔法薬を、しびれ薬から調合しなおして、それを飲んで1時間後には、風竜をだまって借りて山岳地に飛んでいった。
こういう隠密行動系の時は1人の方がいい。風竜には、

「古き水の精霊との契約により、その精霊が護っていた秘宝を取り戻す役割をになっている。ルーンが共通の言語に訳してくれているのは知っているが、俺にはそちらの話す言葉は判らない。背中に乗せてくれるなら、首を縦に振ってくれないか?」

こうして、何匹かの風竜が首を縦に振ってくれたので、その中で一番大きな風竜にのせてもらうことにした。

向かう先は、山岳地の泉。自分で書いた水脈図をもとに、あたりをつけて、『暗視』の魔法で闇夜の中のテントを、上空の風竜の上から見つけた。針葉樹がかろうじてある、山の雪の上だが、都合がよいのか悪いのか。
テントより少し離れた場所に舞い降りてもらい、足音が伝わらないようにサイレントの魔法をかけつつ、気配を消しながらテントに近寄っていく。水の感覚をたよりに中にいるのを確認すると、男1人に女2人か。
男は隻腕なのは水の感覚でわかるが、テントの端で横になっている。水の流れから寝ているのだろう。その男と反対側にいる女が『アンドバリ』の指輪をもっているのは、ルーンを介して『アンドバリ』の指輪の位置がわかるのと、そっちが女のようで、2人の女も寝ているようだ。

さて、想定外だったが、幸い雪がまわりにある。雪は水系統の魔法とも相性がいいので、使えるはずだと、念力で雪をテントの中へ入れて、浮かばせて一機に3人へと落とす。その瞬間に1度きりの先住魔法で、水の精霊と同じ相手の精神を支配する……とまではいかず、虚ろにする魔法だ。正確には1度きりというよりは、『アンドバリ』の指輪を取り返す時に使えるという制限をかけられているのと、どっかに奪われる予定もないので、実質1回きりであろうという俺の願望だ。

テントの中に入ってみて驚いて、

「ワルド隊長!」

ワルド隊長が隻腕になったなんてきいていないぞと、少々混乱気味になったが、なっているものは事実としてうけとめ、まずは女性から『アンドバリ』の指輪を取り戻した。イメージでもらっている物より、水石が半分以上小さくなっているのだが、これはどうしようもないだろう。水の精霊に渡すのは他人にまかせるとして、ラグドリアン湖の水脈に近づくのはさけることにしようと誓った。水の精霊以外の何かにむかって。

目的は、あくまで『アンドバリ』の指輪なので、始祖の降臨祭でもあることだし、裏切り者のワルド元隊長を見逃すのも手だが、気にかかったので、禁術で
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