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魔法薬を好きなように
第29話 後悔先に立たず
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と結婚するだけだ」

「おい、まて! ジャック」

「ああ、悪い。ギーシュ。だがモンモランシーがギーシュのことを、彼氏とは認めていないだろう?」

「それはそうだが、話が違わないか?」

「その通りだ。サイトがだしてきたのは、論点をずらしたものだ。サイトはそういう意味では、戦争をするなということを言いたいのであろうが、それを行うのなら、最終的にはアンリエッタ女王の命を敵に与えることによって、王国は滅亡、アルビオンに併合されるという形になるだろう。そうした場合、何がおこるかの具体例として、このシティオブサウスゴータでおこったように、亜人による食糧の強奪がおこなわれるという将来像だ。サイトはこういう国に、すみたいのか?」

具体的に事実をつきつければ、その事実は否定できない。ただし、事実だからといって、それが1つである限り、他でもおこなわれるかは別問題だ。ようは詭弁をもちいているのだが、貴族の方は女王の命を与えるなんて認めないだろうし、貴族以外ならば、議論の仕方の勉強などしていないのと、もし気がついてもわざわざこういう場で、反論しようとはしない。

「なんで、アンリエッタ女王の命を敵に与えることになるんだよ。アルビオンを封鎖すればいいだけなんだろう?」

「確かにそういうふうに言う者はいるのも知っているが、それは自国とせいぜい同盟を組んだゲルマニアまでしか考慮をいれていない者の発言だ。ガリアが中立である以上、ガリアの商人がアルビオンと交易をおこなう。アルビオンは物を高く買わされて、ガリアの商人が儲ける。そういう話で、アルビオンからの戦争開始を1,2年遅らせる程度の効果しかないだろう」

サイトがだまってしまったので

「なので、ギーシュは、女王の命を守るために、戦争に参加したことによるものだ。それによって手柄を立てたのなら、女王の名のもとにおいて、武勲をたてた名誉を屈辱するのは、女王を屈辱するのと一緒だ。もし、反論があるのであれば、女王直属の女官の使い魔である君だ。女王に直接会って言ってみればいいだろう」

サイトは、俺の言葉に反論しないで立ち去って行った。黒髪のメイドもおいかけていったようだが、俺の前世なら、こういう話の仕方はしないで、サイトの考え方に近かっただろう。今も、封建貴族として生まれて、特権をもっていなければ、今のような話はしていなかったかもしれないしなぁ。
しかし、サイトは戦闘技術としては特殊な訓練を受けているかもしれないが、思想においては、俺の前世とそう大きく変わっていない。そんな気がした。



『魅惑の妖精』亭の天幕から、ほどほどに酔って、酔い覚ましにぶらぶらと回り道をしながら、自分の宿舎へ戻ろうとすると、見知らぬ井戸があったのでそばによると、水の精霊から授けられた『アンドバリ』の指輪を検知す
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