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アバタもエクボ
第八章
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第八章

「のろけ続けるのは間違いないし」
「今でもでれでれだし」
「理佐もあれでね」
 彼女の話にもなる。
「結構おっちょこちょいでしょ」
「慌て者なのわかる?」
「ああ、それな」
「よくわかるよ」
 それは男組も見ていることだった。伊達に同じクラスというわけではなかった。そういったところも見えていたし見ているのである。
「日直の時なんかばたばた走り回るしな」
「臨機応変に慣れないところあるしな」
「生真面目過ぎたりするしな」
「いや、それがいいんだよ」
 こんな話をしていると酩酊状態の丈が言ってきたのだった。
「あの真面目さと必死さがさ」
「ええと、こいつ今確かな状態だろうな」
「そんな訳ないでしょ」
「目を見なさいよ」
 それはすぐに否定された。
「顔は真っ赤だし」
「もう目なんか完全にとろんとなってるし」
「べろんべろんだな」
「ああ、そうだな」
 その状態であった。果たして今自分が何を言っているのかわかっているかどうかすら怪しい。そんな状態なのであった。
「だから今の言葉は本人も何言ってるかわからないから」
「本音の言葉だろうけれどね」
「本音かよ」
 皆そのことに反応したのだった。
「本当に酒飲むと地を晒す奴だな」
「まあ理佐の前でもそうだけれど」
「それは言えるね」
 そんな話をしながら丈の話を聞く。彼は一人で言っていた。
「真面目でさ、一生懸命で」
「それもそう見えるか」
「おっちょこちょいなのも」
「あれだけ真面目な娘今頃いないからね。本当にいいよね」
「やれやれ」
「また言うのね」
 皆ここでも呆れ果ててしまった。そののとけにだ。
「ああいう娘は幸せになって欲しいよ、いやこれは本当に」
「それはわかった」
「幸せにしてあげるわ」
「ついでにあんたもね」
「そうしてやるよ」
 呆れはしたがこうした考えも持っている彼等だった。何だかんだで彼のことも理佐のことも嫌いではないのだ。むしろ気に入っているのだった。
「それにしても欠点まで美点に見えるなんて」
「何処までもべた惚れか」
「そこまで想われる理佐に妬けるかも」
「私の彼氏もここまでだったらいいのに」
 最後は苦笑いだった。この後男連中がとりあえず丈を風呂に入れてそこで酒を完全に抜けさせた。酩酊状態から熱湯に入れられ汗をかかされそれから冷たいシャワーで身体を冷やしてまた熱い風呂に入れられを繰り返しているうちに彼は酔いが醒めてきた。とは言っても飲んでいた時のことは覚えておらずそれで返されたのだった。
 それから数日後。また朝自分のクラスより前に三組に行こうとする丈のところに三組の男連中が来た。そうして彼にこっそり耳打ちするのだった。
「今から音楽室に行けばいいさ」
「そこに行けばいいこ
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