暁 〜小説投稿サイト〜
リリカルな世界に『パッチ』を突っ込んでみた
第九話
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
ら全く違うっていうのは予想して無かったぜ・・・!)

 最初の事件でも、何故かなのはが妙に手間取っていた。本来なら、最初の敵は、なのはの異様に硬い防御を貫けず、ほぼ一方的に倒される筈だった。それが蓋を開けてみれば、彼女は危うく撃墜されかけている。

 現実とフィクションは違う。それは彼にも分かっている。だが、こうまで彼の記憶との食い違いがあると、他の記憶もアテにできるのかが分からなくなる。

 ―――特に、この事件の黒幕は本当に彼女・・・プレシア・テスタロッサなのか、とか。

(マジで勘弁してくれよ・・・犯人が本当にプレシア・テスタロッサなら、事を荒立てずに懐柔する手立てだってあったんだぞ・・・)

 そう。それが、彼が原作への介入を決めた最大の理由。彼の知る原作より、ずっといい未来に出来るかも知れないという、淡い期待。ほぼゼロに等しい確率ではあるが、もしそれが可能なら、この悲しすぎる事件をハッピーエンドに変えることすら可能だったはずだ。

 勿論、それをすることで、未来は変わるだろう。恐らく、『A's』のストーリーも少しずつ変わっていった筈だ。そこからは、『原作知識』が使えない・・・というのは、彼も理解していたし、覚悟していた。

 ・・・だが、こんな序盤から躓くとは、流石に予想しなかったのだ。

(せめて、今日の戦闘にフェイトが出てきてくれれば確定だったんだが・・・。まだ地球に来てないのか、今日の騒ぎに気がつかなかったのか・・・それとも、本当にプレシアの仕業ではないのか・・・)

 変な話だが、今の葵は、フェイトに出てきてほしい(・・・・・・・)と思っている。彼女が出てきてくれれば、少なくとも黒幕がプレシア・テスタロッサなのだと安心(・・)出来るからだ。それは少なくとも、大筋のストーリーに変化がないことを意味するからだ。

(・・・敵に出てきてほしいなんて・・・変な話だけどな・・・)

 落ち込む葵だったが、直後にマスターの持ってきたケーキと紅茶を見て、少しだが気分を向上させる。そして、すずかの家で新作ケーキを食べられなかった鬱憤ばらしのように、その後3個もお代わりするのだった。

 ・・・勿論、お菓子は別腹なので、夕食はキッチリ残さず食べた事を、ここに明記しておく。
[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ