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無欠の刃
下忍編
自来也
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はない。辛さも苦しさも悲しさも強要されて、無理やり背負わされてきたのだ。
 ナルトがそのチャクラを使うという選択肢を選ぶならば、カトナは止める気が無い。しかし、強要されるならば話は別だ。
 ナルトに以前、聞いたことがある。
 「九尾のチャクラを使う気はあるか」と。
 ナルトは答えた。
 「使う気はない」と。
 もしもどうしようもなくなったときに、使うかもしれない。利用するかもしれない。
 けど、九尾のチャクラをコントロールできない今、皆を傷つけてしまうかもしれないくらいなら絶対に使う気はないし、何よりも、九尾を都合のいい存在として利用したくない。
 そういっていた。
 だから、カトナはナルトの意思を尊重して使わせない。
 使わせるような状況には、陥らせない。
 それがカトナの生きている意味なのだから。
 だからこそ、はっきりと認識する。

 この男は、私の敵だ。

 はやく、逃げなければ。
 私が九尾の人柱力でないと気づかれる前に、はやく、はやく!!

 カトナは差し伸べられかけた手を避けて足を後ろに引く。
 自来也はその様子に驚いたように、目を見開くが、カトナはその様子を見ないまま、一目散に後ろに振り返って逃げようとし。
 まて、よ?
 直前で、足を止める。
 目の前の男が、自分を探し出すことは不可能ではない、だろう。自分の居場所は暗部につつぬけだ。この男が暗部とつながりをもっていたら、居場所がばれるのも時間の問題だ。
 自分がいない間に、ナルトと接触されるならば、まだいい。
 けれど、ナルトがこの男がカトナを九尾の人柱力と勘違いし、鍛えようとしている事実を知ったならば。
 ナルトが、カトナが九尾の人柱力であると偽ってまで、ナルトの意思を優先しようとする姿を目の当たりにしたならば、きっとナルトは、カトナが勝手にしていることとはいえ、悲しむだろう。
 それは、駄目だ。自分がしたいからしているという事にしなければ。
 それにこの男は、九尾のチャクラのコントロールのことを言えるということは、それなりの手練れだ。
 サクラと一緒に修行しているとはいえ、術を教える教師や師匠が必要なはずだ。
 カカシはサスケにもっていかれたようだし、イルカはアカデミーの教師で忙しい。エビスという男がどうだとカカシに言われたが、ナルトの知り合いだとしても、カトナはその人物を知らないので危険性がよく分からないので却下。それ以外の人物だと、ナルトに危害が及ぶ可能性が高い。
 そんなナルトの師匠に、目の前の男は都合がいい。
 思考が急速にまとまりだし、そして一つの結果を出す。

 「…九尾は、使うの、怖い」

 絞り出した声に、自来也は瞬きした。
 カトナが九尾の存在を知っているとは思っていなかった以上に、カトナが九尾
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