第二章 戦火の亡霊船
3話 西へ…(東名高速、新東名高速編)
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先ほど見たような車のバリケードもあらず、ここには人がいないだろうと判断できた。そんな訳で車の外へと出て、警戒しながら建物内へと入る。
その建物内は凄まじい腐臭で満たされていた。夏の暑さが手助けをして、それは更に酷いことになっている。まさかそんな中で昼食を食べるわけにもいかず、すぐに外に出ることになってしまった。
「これも久々だね。」
「ちょっと油断してたよ。」
こんな会話ができるのは、もちろんこれまでに体験したことがあったからである。
基本的に初めて入る建物の中は同じような状態で、そんな中から生存者を探すようなこともしてきたのだ。今は生存者を見つけてもどうしようもできないので探しはしないが。
残念ながら慣れているだけあってすぐに気持ちを切り替えることができるため、外に出て体から取り出した肉を焼いていく。
どうやって焼いているのかと言えば、それは電力が必要なくなったホットプレートである。電気、もしくは熱のエネルギーで動くはずだった機械はすべて、それこそ車のように自分の力…集中力…精神力と呼ばれる何かを消費して扱うことができるようになってしまっている。
果たしてどんな力が働いたのか…それを確認するのもこの旅の目標として頭の片隅に存在していた。
「龍は食べたら美味しいのかね…。」
オークの肉を食べながら香織は小さく呟いた。
「体は蛇…だっけ?よくわからないけどさ…蛇なら食べないって話も聞かないから美味しいんじゃない?」
僕はうろ覚えの知識から推測を建てた。すると香織は何かを考えながら小さく二回ほど頷くと、僕に目を向ける。
「いつか絶対倒しに行こうね!」
やけに真剣な目で訴えてくるものだから、首が縦に動く以外の行動をとることはできなかった。とは言っても、僕も興味があったので問題はない。
「果たしていつになることやら…」
龍に会うまでにそれより強い敵と会うこともあるんじゃないかと考えつつ、僕はどんどん肉を頬張っていく。
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