Interview11 1000年待った語り部 V
「ノルマとして捉えたほうが」
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いよ。それに、今日が最終日だしね」
レイアはルドガーに笑いかけた。去年の旅でも何度も使って来た「笑顔」という仮面。
ジュードたちは見抜けなかった。なのにルドガーの心配顔は変わらない。
「次は誰?」
「分史対策室の室長補佐。今回のスケジュール調整してくれた人。俺の上司だけど、そう歳の変わらない女の人だから、あんまり緊張するなよ」
「ありがと。若い女性……やっぱり美容的な部分を重点的に……」
取材相手が来るのを待つ間、レイアはインタビューの流れを組み立てる。こうなるとルドガーや他者の声も届かない。
ドアがノックされ、スライドして開いた。
「失礼いたします」
入ってきた女性は、腰より長い黒茶の髪を翻して、レイアの正面に立った。レイアも立ち上がった。
「初めまして。『デイリートリグラフ』のレイア・ロランドです」
「お初にお目にかかります。分史対策室室長補佐のジゼルと申します。よろしくお願いします、ロランド記者」
挨拶もそこそこに、レイアとジゼルはイスに座った。
「よろしくお願いします。あの、今日までエージェントの方々の取材の時間調整をしてくださって、本当にありがとうございました!」
レイアは元気に頭を下げた。ジゼルはきょとんとし、それからふっと笑んだ。
「頭をお上げくださいな。わたくしも今回のような機会は初めてで、上手く采配を振れたか自信がないのですが」
「そんなことっ。おかげさまで、スムーズに皆さんのお話をお伺いすることができました。ありがとうございます、ジゼル補佐」
記者と取材対象の間に華やいだ空気が生まれる。
「ではさっそくですが、質問を始めてよろしいですか?」
「どうぞ、いかようにも」
「ジゼル補佐は普段どんな仕事をされていますか?」
「エージェントたちからすでにお聞き及びかもしれませんが、骸殻能力者として分史破壊と探索をしております。他には、管理職も頂戴しておりますので、任務のシフトや、通常セクションとの折衝もしております。こういうことばかりしておりましたから、今回のご依頼も、わたくしにとっては普段の業務の延長線上でした」
レイアは次々に質問する。分史対策エージェントとしての仕事量と室長補佐の仕事量、どちらに比重があるか。シフトを考える時にどういう基準でエージェントを選ぶか。折衝とは具体的にどのようなことをするか等々。
ジゼルの仕事のやり方から、部下との関係や本人の性向、さらにはノーマルエージェントには聞けなかった、分史対策室というセクションの方向性を分析する。
「少し突っ込んだ質問をしてもいいですか?」
「どうぞ」
「骸殻に目覚めたのはいつ頃ですか?」
「10歳の時です。親が隠していた時計を偶然見つけて」
「すぐにクラン
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