三十九話:授業参観〜その一〜
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んかこっちも恥ずかしくなるな。
「でも、やっぱり“ドンナテヲツカッテモ”イッセー君の一番になりたいなあ」
そして同時に背筋が冷たくなる。
『既成事実を作れば……』とか聞こえてくるのは気のせいだと思いたい。
「イ、イッセーさん! 私はイッセーさんの大切な物になれているんですか?」
何やら焦ったように必死に聞いてくるアーシア。
「何、当たり前のことを聞いて来てんだ? 言ったはずだお前は俺のファミリーだ」
「はい。ありがとうございます! イッセーさん」
そう言ってやるとこっちまで嬉しくなるような笑顔を見せてくれるアーシア。
そう言えば、こいつとはファミリーであると同時に友人だったな……。
そういう意味でもアーシアは大切な物だ。
これ以上口にする気はねえけどな。
そんな話をしているうちに授業は進んで行った。
因みに今回作ったボンゴレの紋章は俺の部屋に飾ることにした。
中々出来が良い作品になったからな。
おまけ
「私は……こんなところで倒れているわけにはいかないのだ…っ!」
ある場所で一人の中年の男が倒れ伏していた。
しかし、男の眼には闘志が確かに宿り続けている。
「娘を―――イリナをあのような輩に渡すわけにはいかんのだ!!」
男は紛れもない親馬鹿だった。
それはもう、実の娘から折檻を日常的に食らうぐらいのレベルでだ。
しかも、その折檻を愛情の裏返しと信じて疑わない。
妻も呆れて諭すのを諦めるのだから救いようがない。
「あの兵藤一誠を滅ぼす日まで――「よお、同士よ」――貴様は!?」
そんな男の目の前に突如として現れた男。
同じような年ぐらいに見えるがその男はどちらかと言えばダンディともいうべき容姿だ。
「何のようだ? 私を殺しに来たのか?」
「そんなくだらないことじゃねえよ」
そう言って現れた男は倒れ伏す男に手を伸ばす。
その行動に驚愕の表情を見せる倒れ伏す男。
それは当然の反応だろう。
何故なら手を伸ばす男は間違いなく自分の敵の勢力のトップに立つ男なのだから。
「………どういう事だ?」
「言っただろ? 俺達は同士だ―――最愛の娘を誑かすあの野郎を滅するためのな!!」
瞬間二人は固く固く握手を交わしていた。
それはもう、長年の戦友に会ったかのようにだ。
そしてこの男もまた度を超えた親馬鹿だった。
「俺達は同士だ。力を合わせてあの野郎から娘を奪い返すためのな!!」
「そうだな。我が同胞よ。愛しの娘を取り戻すために力を合わそう!!」
もう一度言おう。彼らは親馬鹿だ。
どうしようもない程娘を愛す親馬鹿な父親たちだ。
そして力を合わせた彼らが何を行うのかを彼は必ず知ることになるだろう……。
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