三十九話:授業参観〜その一〜
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こいつら間違いなく親子だよ!! こんな変なとこが似てんじゃねえよ!!
「娘が欲しいなら私の屍を越えていくがいい! さあ、我が剣の錆となれ!!」
「教室で凶器を振り回してんじゃねえよ!?」
剣を振り回しながら突っ込んでくるイリナの父親にそうツッコむ。
だが、奴はそれがどうしたと言わんばかりに止まらない。
流石に神器を使うのはまずいので避けようとする。
が、何故かイリナが俺の腕を掴んだままだったので動けない。
ちっ……仕方ねえ。
離れないイリナをそのまま抱え上げて上に飛んでイリナの父親攻撃を回避する。
そしてそのまま天井を蹴り反動をつけて敵の頭に鋭い蹴りを放つ。
「なっ!?」
「邪魔だ。カスが」
勢いよく倒れ込む奴を見ながらそう吐き捨てる。
だが、この程度で終わるような奴なら最初から苦労なんざしねえ。
イリナを抱きかかえたまま立ち上がるのを待つ。
「貴様! その状態で私に挑むというのか!?」
「はっ! カスには丁度いいハンデだ」
「パパを舐めるなああああっ!!」
激高しながら近づいて来る奴を見ているとアザゼルの事を思いだす。
あの手の奴は倒しても倒しても甦るからな。
始めから倒そうと何て思っちゃいねえよ。
いつも通り―――星に変える!!
「吹き飛べやああああああっっ!!!」
「おおおおおおっ!!?」
カウンター気味に腹にいま出せる最大の力を込めた蹴りを放つ。
すると、奴は何故かいい感じに開け放たれていた窓の外へと飛んでいき。
星になり消えていった。
「けっ、カスが粋がるからだ」
そう、一言吐き捨てて席に戻ろうとする。
「「「「キャーッ!! ロマンチックゥゥゥッ!!!」」」」
「…………あ?」
何故か、教室中から湧き上がる歓声に意味が分からず首を傾げる。
すると、桐生が何やらニヤニヤしながら袖を引っ張ってきたので顔を向ける。
「兵藤。あんたの自分の姿を見てみたら?」
取りあえず、言われた通りに自分の姿を確認してみる。
頬を赤く染めてトロンとした表情で俺の顔を見つめるイリナ。
そしてそれを俗にいうお姫様抱っこで抱える俺…………。
「それで兵藤は何て言われたの?」
『娘が欲しいなら私の屍を越えていくがいい!』と言われたな。
それで俺は奴を星に変えてやった……。
なるほど、俺は奴の屍を越えてイリナを手に入れたと言う風に見られているのか。
て―――
「違うわあああああっっ!!」
最近よく誤解されることが多いのは気のせいじゃない。
頭痛薬、胃薬の一年セットが送られてきていなかったら俺はここで倒れていたと思う。
カシャ! カシャ! カシャ! カシャ! カシャ! カシャ!
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