第八話
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われており、頭部からは二本の長い耳が。額部分からは一本の鋭い角が伸びている。爪も異常に長く鋭い形状となっており、掠っただけでも危険だということは明白だった。
「兎だ。」
「兎・・・?この子、兎さんなの・・・?」
ポツリと呟いた葵の台詞に、信じられないと首を振るなのは。愛くるしさの塊のような兎が、このような化物になってしまったとは信じられないのだろう。葵としても、前世でやったゲームの中に○○バニーや○○ラビットのような敵が出てきたから兎だとわかっただけで、事前知識なしには兎だと想像も出来ないに違いない。この敵に名前を付けるなら、カッティングバニーか、ホーンラビットだろうか。
「と、兎に角、このままじゃ被害が増える一方だ。・・・ユーノは?」
「もうすぐ着くって!」
やはり、結界が無ければ満足に戦う事も出来ない。戦闘の傷跡は残るし、一般人に発見されるリスクも高まる。なのはと葵が異常を感知して、たどり着くまでのたった数分の間に、木々が密集していた林の一角が倒木だらけになっているのである。破壊音も凄まじく、十分もすれば人が集まってくるのは分かりきっていた。
だが、それも杞憂に終わる。広域結界が張り巡らされたからである。恐らく、ユーノがたどり着いたのであろう。
「よし、ユーノナイス!なのは、取り敢えず変身して待機しててくれ。まずは俺がやってみる。」
「わ、わかったの。気をつけて葵君。」
変身したなのはは空中へと浮かび、いつでも封印魔法を撃てるように準備する。これは、事前に決められた事であった。
「・・・よし。」
それは、葵から提案されたことである。彼は、自分の力が通用するのかを試しておきたかったのだ。それも、出来るだけ序盤のうちに。
魔法少女リリカルなのはは創作物である。創作物である以上、ストーリーには段階というものが存在する。余程ヒネクレたストーリーでない限り、冒頭からラスボスと戦って全滅などということはないであろう。勿論、そういう作品もあるにはあるが、少なくともリリカルなのはという作品は、主人公が戦っていく内に段々と心も体も強くなっていくタイプの作品である。
つまり、序盤に出てくる敵ほど、弱い傾向にあるということだ。彼の記憶では、アニメ版なら神社の犬。劇場版なら猫・・・というか虎の敵が出てくるはずだった。
だからこそ彼は、早いうちに自分の力を試してみたかった。
彼が確かめておきたいのは大きく分けて二つ。
一つは物理攻撃力。ジュエルシードの思念体が、物理攻撃の一切を無効化するというなら、彼はその戦力の半分を封印されることになる。最初の敵には全く効かなかったが、あの敵はどう見てもゴーストとかそういう類の敵であり、再生能力を持っていたのだから、効かなく
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