第一幕その二
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「とてもね」
「そうなんだ」
「優しくて穏やかで公平だってね」
先生のいいところです、全部。
「それに教え上手だって」
「教え上手かな、僕は」
「そう思うよ、先生の話はわかりやすいから」
「だからなんだ」
「うん、先生はいい先生だよ」
王子から見てもというのです。
「こんないい先生いないよ」
「だといいけれどね」
先生は少し笑って王子に応えました。
「やっぱり嫌われるより好かれる方がいいからね」
「ずっとね」
「進んで嫌われたい人はあまりいないんじゃないかな」
こうも言う先生でした。
「誰だって好かれたいよ」
「僕もそう思うよ」
「僕もです」
このことは王子とトミーもでした。
「本当にね」
「好かれる方がずっといいですよね」
「嫌われてもこっちが嫌な気分になるだけだから」
「何もいいことないですからね」
「だからね、僕もね」
「好かれる方がずっといいです」
「僕もだよ」
先生もなのでした。
「好かれているのなら有難いよ」
「そのことは安心していいよ」
「そうだね。それとね」
ここで、でした。王子はお抹茶を飲みながら話題を変えてきました。今度の話題は何かといいますと。
「動物園だけれど」
「この学園の動物園だね」
「何か獣医さんの一人がね」
「どうかしたのかな」
「一週間程休暇を取るそうだよ」
このことをです、先生とトミーにお話するのでした。
「どうやらね」
「ああ、そうなんだ」
「うん、そう聞いたよ」
「そうなんだ、じゃあその人がいない間は」
その一週間の間はです。
「他の獣医さんが大変かな」
「何かあればね」
「何もなければいいね」
しみじみとして言う先生でした。
「動物もデリケートだからね」
「そうそう、人間と一緒でね」
「皆そうですよね」
トミーも言うのでした。
「動物達も僕達と変わらないよ」
「怪我をすれば病気になります」
「虫歯だってなるし」
「何かと大変ですよね」
「ましてやこの大学の動物園はね」
先生はさらにお話するのでした。
「大きくて沢山の色々な種類の動物達がいるからね」
「水族館もあるしね」
「本当に沢山の動物がいますよね」
「だからその動物達を診るとなると」
「一人休んでいたら」
「何かとですね」
「獣医さんも多いよ」
この学園の動物園はというのです。
「設備も整っているけれど」
「それでもだね」
「普段は一人足りなくても大丈夫だけれど」
「何かあれば」
「うん、風邪とかが流行ったらね」
そうなったらというのです。
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