SAO編−白百合の刃−
SAO20-ドウセツ
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んでいたから。
あの日、私は泣き叫んだ。助けてと言う言葉を口にしたら、誰かが助けてくれた。それは言葉の通り、誰かに助けを求めたらそれが叶った。
泣いても自分を救ってくれるとは限らない。泣いたって惨めになるだけだ。泣いても結果として何も変わらないし、失ったものは二度と戻らない。
でも、泣くってことは感情の正直を表すものだ。そこに偽りなんてない。心からの悲鳴を表すものなんだ。それを見てしまったら、放っておくことなんてできなかった。それともう一つ加えるとしたら、泣くってことは救いを求める感情。きっとそうだと思う。私も……泣き叫んだあの日、救いを求めていたから。
「……ねぇ」
「うん」
「たたせて」
「うん」
ドウセツの言われた通りに、ベッドから下ろして抱きしめながら立ち上がった。
「これでいい?」
「…………」
「ドウセツ?」
「……私」
腰に力が加わった手が離される、密着した体も離される変わりに、ドウセツの表情が拝見できる。
その表情は、
「貴女に逢えて…………よかった」
涙ながらも心から表す、綺麗な笑顔だった。
どっちが……ずるいんだよ。
ドウセツの方がずるいよ。クールで毒舌吐きながらも助けてくれて、今と未来を与えられたんだよ。
「私もだよ。逢えてよかった」
私も自然と涙が出てしまう。その涙に悲しみも憎しみも怖さも混じり合う色ではない。
この涙は、嬉し涙だ。
どれくらいかはわからない、どれだけの時間が経過したかもわからないくらいに、この時間、この空間、私達はお互いの温もりに触れ、抱きしめ合い続けていた。
「……キリカ」
「うん?」
「ありがとう」
この日、私達は本当の意味を込めて、お互いを解り合った。
「こちらこそ、ありがとう」
これで終わりじゃない、また新しい未来へと歩むんだ。
●
陽を背け、陰の中で生きてきた私にとって、夜は心地良い。だけど、夜が怖くなってしまうのは、私が弱くて泣き虫で、どうしようもないくらいに臆病だから、結局は陰の中でも生きていく自信はなかった。
目が覚めた時、部屋が暗いと少しだけ寂しくなってしまい、比較してしまう。光の中に生きる人は、夜中に目を覚めても冷たく感じることもないでしょうね、きっと。
「……すぅ……すぅ……」
隣にいる私にとっての恩人である、キリカはぐっすりと寝ていた。だからなのか、目が覚めても寂しいと思う気持ちが沸かなかった。
「……キリカ」
名前を呟くと、キリカの表情が小さく変化した。そしてすぐに元に戻った。まるで返事をするように、小さく表したんだと……。
「器用なのか不器用なのか、本当によくわからない人ね
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