SAO編−白百合の刃−
SAO20-ドウセツ
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私は言う。心に決めた覚悟を伝える。
「立ち上がれないなら、私が手伝う」
大丈夫。
もう、自分の力だけで頼ることはできない。怖くない。失敗も恐れない。
今、ドウセツを救えるのは…………私だけだ。
「ドウセツの弱さも怖さも重さも、私も一緒に抱える。不安な未来も私と一緒に変えよう。でも、私だけだと、いつかは失敗するし、迷惑もかける。また落ち込んだりして、また無茶に暴走するかもしれない」
先のことなんて誰もわからない。たった一つ二つの約束なんて、一歩間違えればすぐに破れてしまうくらいに脆い。でもそれは逆にも言えることだ。ドウセツが抱える不安な未来も、一歩正解すれば明るい未来だってあるかもしれないんだ。
「だからさ……ドウセツも私を助けてくれない? お互いに助け合って、支え合って、共に歩んだりしてさ、二人で無理だったら周りの人に頼ってさ、それこそうちの兄とか、アスナとかさ、みんなで協力すればなんとかなるかもしれない。でも、そのために私はドウセツが必要。だからね」
そして約束は破るものじゃなくて、結ぶもの。
途切れないように永遠に結ぶ契約。
「生きるために約束をしよう」
今があって未来がある。
未来が合って今がある。
想像した未来には、私の傍に必要なのがドウセツ。
「私を助けてくれないかな?」
助けてください。
これから一緒にいるために、助け合って一緒に歩んで行こう。
「……い」
ボソッと呟かれると、腰あたりに強く抱きしめられる圧が感じた。
「ドウセツ?」
「ずるい! ずるい!」
「ドウセツ……」
「ずるい、ずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるい! ずるすぎる! ずるいよ!……ずるいっ!!」
ドウセツは感情を爆発させるように言葉を思いっきり私にぶつけさせていた。
「……ごめん。だって、本当に必要だから」
「そう言うところがずるい!! どうして貴女はそうやって私の手を差し伸ばそうとするの!! 拒んでいるじゃない!! それなのに貴女はおかまいなしで、踏み込んでくる!! どうしてそんなこと言えるのよ!! どうしてそんなに優しくなったのよ!! お人好しのバカでアホなくせに!! 私のことを考えているなら放っておいてよ!!」
声音は悲鳴のように大きいけど、憎しみも怒りも悲しみもなく、ただ泣き叫んでいた。
そんなドウセツを私はもう一度強く抱きしめる。
「私が助けるのは……ドウセツが泣いているから……私には放っておくことなんてできないよ」
あの日、私は泣き叫んだ。でも、誰も私を助けてくれる人はいなかった。だって、助ける資格なんてないと思い込
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