SAO編−白百合の刃−
SAO20-ドウセツ
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と、地面に描かれた鉄塔群の影の黒色は独創的で美しかった。
「ドウセツ大丈夫?」
「……うん。うん…………ぐすっ」
「もう大丈夫だから……その……泣かなくてもいいんだよ」
「ごめん……ごめんなさい…………」
ストロングスの脅威は去った。それは私がストロングスを殺したから……もうドウセツは怯えなくてもいい。けれど、ドウセツはいつものクールな姿と裏腹に、所々泣いては謝っての繰り返しだった。
私が知っているクールなドウセツ。漆黒の名を持つソロプレイヤーの面影なんて一つも存在しなかったように、弱々しくなっていた。
まぁ……簡単に恐怖を克服することなんて、あんまりないことだけど。だから……仕方ないことでも言えるわね。
さて、どうしようっか……。
これからドウセツのことを含めて、悩んでいる矢先だった。
「……キリカ」
ギュッと背中から掴まれた。
「どうしたの?」
後ろを振り返ってドウセツの顔を覗き込むと、涙ぐむのが恥ずかしいのかやや俯いていた。
何か言いたいことはわかった。だからもう一度ドウセツに訊ねた。
「い、一緒に…………一緒について来て欲しい場所があるから……いい?」
「いいけど、大丈夫?」
「大丈夫よ……」
一瞬だけ私が知っているクールなドウセツに戻ると、先頭に立って目的地へと進んで行った。
「大丈夫ねぇ……」
本当は大丈夫じゃないのは……私も、ドウセツもわかっている。
でも、その言葉を私は信じなきゃいけない。本当は大丈夫じゃないって、わかっているんだから。
●
「ここは……」
たどり着いた場所は第二十二層の南西エリア。第五十二層のフリーダムズと同じく第二十二層もアインクラッドで最も人口の少ないフロアの一つであり、面積は広く、常緑樹林と無数に点在する湖が占められている。比べて主街区は小さな村と言う規模。ここも大自然なエリアの一つである。
ドウセツの後についていくと、小さな森の南西エリアにある二階建ての白木のログハウスが設立されていた。
「あれって……」
「一応私の家」
「だろうね……でも、こんなところにも住んでいたの?」
「えぇ、でもここは…………」
「ここは……?」
ドウセツの言葉が途切れる。
「ドウセツ……」
「大丈夫……ここは……逃げるための家」
ドウセツはドアノブに手をかけながら切なそうに口にしつつ中に入った。私も続いて中に入ると、インテリアや小道具など家にありそうな物が一切置かれていなかった。室内を詮索して、物があったのは二階の寝室にベッドだけが置かれていた。
「……何もないね」
「えぇ、まるで…………私みたいでしょ?」
ドウセツの唇が吊り、自
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