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SAO編−白百合の刃−
SAO20-ドウセツ
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だろう。
 それはきっと、ストロングスを殺した後悔を忘れないことが……私の罰。ずっとその後悔を抱えて生きるのが私の罰だ。
 それとは別で、ストロングスがクラディールに接触しなかったら一体どうなっていたのだろうか。わからない。そんなクラディールはどうなったかというと、フレンドリストにはクラディールの名前が、連絡不可のグレーに変わった。
 それはつまり、どういうことを示すのか……。

「あの、イリーナさん。クラディールのことについては……」
「クラディールのことは、キリトとアスナに任せようと思っている。だから、キリカは他にやることを優先してほしい」

 …………それもそうですね。
 クラディールのことは兄とアスナに任せよう。どうやって兄とアスナが生きているのか、どうしてクラディールが死んだのかは私は何も知らないから、何も言えない。
 だからイリーナさんの言われた通り、他にやることを優先させる。
 私は後ろを振り向くと、出入口の扉に寄りかかって俯いているドウセツを見た。
 泣きじゃくった後のドウセツはすっかり毒が抜け、まるで氷が溶けて水のように静がでおとなしかった。(せい)を感じないわけじゃないけど、戦意や気迫がない。今のドウセツはどこにでもいそうな、しおらしく、臆病で大人しい少女になっていた。
 無礼で失礼かつ、非情だと思われても仕方がない。ストロングスを殺した件は終わった。それを信じて、私はイリーナさんにお願いをした。

「イリーナさん、お願いがあります」
「なにかしら?」
「今回の件でドウセツを一時脱退の許可を申したいんですが……」
「いいわよ」
「えっ……いいんですか?」

 意外にもあっさり許可を頂いただけではなく、

「一時とは言わず、そのまま脱退してもいいわよ。ついでにキリカもね」

 なんと、副団長から直々に脱退の申しを与えてきたのだ。今回の件で責任を感じているのか? でもそれはイリ―ナさんの責任ではない。それに先ほどの謝罪で終わったはずじゃないのか? ただ私は、しばらくドウセツを休ませたいだけであって、血聖騎士団の脱退まで望んではいない。あくまでも一時脱退で十分なのに……。
 なので、私は遠慮しようと逆にお断りの言葉を口にしようと思った瞬間、イリーナさんはそれを防ぐように言い放った。

「と言うより、これが最後の命令にしましょうか。うん、そうしましょう」
「ちょ、ど、どうしてそこまで脱退させようとするんですか!」

 私はイリーナさんがいい加減な命令を口にしたことに半分呆れていた。わざわざデュエルしてまで欲しかった私達を今度は自ら離そうとしている。しかも、私はドウセツの一時脱退を申しただけなのに、一時なしで完全に脱退させるのを命令までしたんだ。

「部下の責任はわたしの責任よ。
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