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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
空白期 中学編 01 「始まりの朝」
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……経験からして、しばらくは会話どころか顔も合わせてくれないかもしれない。嘘を吐いておくべきだった。

「ふむ……ディアーチェ、君はショウが好きなのか?」
「――ッ、いい加減にしてくだされ。我のことをからかって面白いのですか!」
「面白いか面白くないかでいえば……面白いね。君は反応が良いから」
「あぁもう、何であなたはそうなのですか。あなたがそのような言動ばかりするから、シュテルが真似たりするのですよ!」

 堪忍袋の緒が切れたディアーチェは説教を始めた。ほとんど食べ終わっていたこともあって、片付けをしながら小言を連発する。しかし、説教されている人物はまだぼんやりとしているのか聞き流しているようだ。
 ――うん、まるで大きなシュテルの相手しているかのような光景だ。最近のあいつは茶目っ気が減ったというか、真面目になりつつあるけど……この人と一緒に仕事する機会が増えたらまた戻りそうだよな。

「ところで今日は入学式だろう? 早めに行ったほうがいいんじゃないのかい?」
「無駄な時間を使わせた原因はレーネ殿ではありませんか!」
「まあまあ、落ち着けって。そんなに相手するから、この人はもっと構ってほしくなるんだ。さっさと準備を済ませて学校に行こう」

 そのようなことを繰り返し口にして、怒れる王さまをどうにか宥めた俺は最終準備を始めた。
 誰かと――ましてや異性と同じ玄関から出て学校に向かうのは初めてなので、何とも言えない緊張感のようなものがある。気づかれないように顔には出してはいないが。

「忘れ物はないであろうな?」
「今日は入学式だけだぞ。大したものはいらないだろ」
「それはそうだが……ハンカチなどは持ったか?」
「持ってるよ」

 制服の近くに置かれてたら誰だって手に取るだろ。まったく……お前は俺の母親か。
 などと、靴を履きながら思っていると、後方から再び鈍い音が聞こえてきた。ここに住み始めてそれなりの時間が経っているはずだが、どうしてこうもある意味器用と呼べるほどに何かにぶつかることができるのだろうか。

「別に見送りなんてしなくていいのに」
「おいおい、そんなこと言わないでくれ。これを楽しみに早起きしたようなものなんだから」
「だったらディアーチェをからかうのはやめて、見送りだけ楽しんでくれ」

 ただでさえ学校のほうでも俺との関係をからかわれたり、質問攻めに遭いそうなんだから。それにはやてもいるし。

「それは……約束できないな」
「いや、そこは約束してくだされ!」
「ディアーチェ、だからそういう反応をするからからかわれるんだって」
「む……それは分かっているが反射的にしてしまうのだ」
「そうか……ならさっさと出発したほうが賢明だな」

 俺の言葉にディアーチェは頷き返すと、ダメ
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