マザーズロザリオ編
73.絶剣
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に行わなければならない。それをシステムアシストなしで行えというほぼ不可能に近い矛盾を乗り越えて作り出されるのが、OSSである。
それを《秘伝の書》という形で他のプレイヤーに渡すこともできる。
一応、俺も複数個のOSSを持ってはいるが、かなり疲れた記憶しかないので、できればもう行いたくはない。
「十一連撃の超大技だよ」
「じゅ、十一!?」
その連撃数には驚く以外になかった。
十一連撃などもはや《二刀流》のソードスキルだ。それもかなり上位に属する必殺技だ。
「それはかなり戦いたくなってきたな」
俺は期待を膨らませながらも顔は、不敵なまでな笑みを浮かべる。
「それで、そいつの種族と武器は、どんなのだ?」
「シュウくんと同じ、闇妖精族だよ。武器は、レイピアに近い片手用直剣かな。──あと、とにかく速くて、剣を眼で追えないくらいだったよ」
「スピードタイプか……それもリーファでも追えないとなると武器を変えるのはかなりキツそうだな」
武器の変更ができないとなると俺が得意とする戦術の槍と剣で相手の間合いを崩しながら戦うことがきつくなってくる。
そこまで考えて、俺はあることを思い出した。
「そういや、あのバカは戦ったのか?」
するとリーファは少し、言いにくそうに頬を歪め、衝撃的なことを口にした。
「それが……もう戦って、負けたんだよね」
「……負けた」
あのSAOをソロで駆け抜けた《黒の剣士》様が敗北した。
それは本格的に《絶剣》というプレイヤーがとんでもない強さだということがわかる。多分、彼のことだから本気で戦ったはずだ。《二刀流》は使わなかったにしてもだ。
それでもキリトが敗北したということは、かなり衝撃的だった。
「それとね……お兄ちゃんが絶剣さんと鍔迫り合いの時に何か話してたんだけど教えてくれないんだよね」
リーファの言葉に俺はわずかな引っ掛かりを覚えたが、それも……
「本人に聞けばわかることだな」
アインクラッド24層は、大部分が水面で覆われたフロアだ。
俺とリーファは、《絶剣》が現れる小さな小島へと目指した。低空飛行をしながらその場所がわずかに視界に入った。当然ながら世界樹には劣るがそこにも立派な樹が枝を広げて生えている。その根元あたりに沢山とまでがいえないが、プレイヤーたちが集まっている。
俺たちはその島に着陸する。すると周りにいたプレイヤーたちがこちらを一瞥してわずかに驚くような反応を見せたのがわかった。
気にすることではないとそれを無視し、視界の右下に表示されている時計を確認する。時刻は、午後二時五十九分。
あと一分で絶剣が現れる。
キリトが負けたプレイヤーと戦いたいとい
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