第4話 越後統一
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戦の時にぼーっとしていたんだって?」
「与六か」
「与六ではない」
「は?」
「正式に直江家の養子となることが決まった。これからは直江兼続と名乗ることになる。景虎様の勧めでな。与六のままでもよかったんだが……」
「凄いじゃないか。直江家と言えば名家だろ? おめでとさん」
「ああ」
「ところで、弥太郎殿はいいのか? 姿が見えないが?」
「厠へ行かれた。戻ってきたらまた世話をしなければ……手のかかる師匠だ」
喜んでいるくせに、可愛い奴め。
「小島様よりお前の方が問題だがな。戦場でぼーっとするなど何を考えているんだ?
それではいつか、景虎様の手を煩わせてしまうぞ」
「すみません。本当に申し訳ありません」
頭を床に擦り付けて土下座をする。困ったときは土下座をすればいいと教わった。
何? プライド? 知らんな。
「お前……そう簡単に頭を下げるな!」
「いや、しかし」
「大体、最低限刀を振れるようになれ! それに他人の傷を治せるのに自分の傷を治せないなんてどういう事だ?」
「自分の寿命を自分に使ったって変わりないだろ? 安心してくれ、俺の顔は3度だ。兼続の場合、後2回までなら怪我しても治療してやろう」
「バカにしているのか!?」
ひい、めんどくさい人だなおい。話を切り替えるか。
「そんな事より、剣術指南をお願いしたいんだが……」
兼続は驚いた顔をするが、溜息をつきながら答える。
「分かった……いいだろう。景虎様の為にもなりそうだしな」
兼続って本当にあれだよな。なんだっけ? 異国の言葉で……loveか。
兼続は景虎様loveだ。
さて、説教? も終わり兼続と別れ、酔いを醒ますために風に当たろうかと思い外に出る。
それに、騒がしいのはあまり好きじゃない。
「うん? 颯馬か?」
「おや、景虎様」
「宴はまだ終わってないだろう?」
「酔いを醒ますために風に当たりに来たんですよ。騒ぐのはあまり好きではないし。景虎様こそどうしてここに?」
「ははっ。私と同じか。どうも、騒がしいのは苦手な性分でな」
「そうでしたか」
さわさわと吹く風に、景虎様は気持ちよさそうに顔をなぶらせていた。こうやって見ると正に美人だ。兼続が一目ぼれしたと言っていたが、その理由も分かる気がする。
あれ? てことは……兼続って……。まあ、愛の形は人それぞれだから……。
「そうだ、では私の杯の相手をしてくれ」
「いいですよ」
景虎様の横に座り、杯を受け取り、酒を注ぐ。(お酒は二十歳からです)
口に酒を流し込む。喉が少し焼けるように熱い。中々強い酒の様だ。しかし、それをずっと飲んでいる景虎様は全然酔っていない。
「景虎様、この酒強いですね」
「ははっ、颯馬は酒に弱いか?」
「まあ、酒なんて飲んだことありませんし」
「
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