第4話 越後統一
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には、景虎様率いる精鋭部隊が斬り込みを開始する。
「斬り込み隊、突撃! 全力で駆け抜ける。目指すは敵大将の首ただ1つだ!!」
景虎様自ら一番やりを果たし、そのまま敵陣に斬り込もうと声を上げる。
「はああぁっ!」
「立ちはだかる者は切り捨てる! 大将への道、開けてもらうぞ!」
「戦場では加減もできぬ、死を恐れるなら立ちはだかるがいい!」
おぉ、怖い怖い。
あの3人が居れば向かうところ敵なしだな。
しかし、1つ納得のいってない事がある。
なぜ、この精鋭部隊に俺が組み込まれてるんだ? おかしくね? 実際俺って軍師だろ?
軍師が特攻するとか大丈夫なのか? それ以前に、戦闘専門じゃない奴連れて敵中央ぶち抜けるってどうよ?
俺の専門、戦闘じゃないんだけど……。
「はああっ!!」
景虎様が敵兵を切り、鮮血を散らす。
手にした刀は人の血で真っ赤に染まり、もはや切れるような状態ではない。
それでも、景虎様が振るうと鮮血が上がり、兵が倒れる。
突如、横から殺気を感じ取り、咄嗟に仕込み杖を構える。
「くっ……」
くそ……足軽に押されるとは……。
数回にわたり切り結ぶ。刀がぶつかると共に嫌な音が耳に入り込む。
強いな、明らかに押されている。だが、足軽に負けるとか色々とまずいんだよ!
「うおおおおおっ!!」
「ぐあっ!?」
力を振り絞って敵の首を仕込み杖で殴りつける。
いまだに手が痺れ、口の中は死と言う恐怖と常に隣り合わせにある為、緊張して乾く。
「颯馬! どうかしたか?」
「いえ、張り切り過ぎて集中が切れかかっていただけです!」
景虎様の問いに返答を返して再び敵大将の馬印に向かって走り出す。
勢いを止めずに進む景虎様に続いて、兵たちは勇戦し、敵大将を討ち果たしてこの合戦に勝利することができた。
戦いの熱を冷ますように、勝利のこだまが空へ響いた。
越後の統一を決める叩大きな戦に勝利をおさめ、数日後、景虎様は戦勝の宴を開いた。
「与六、もう少し酒を持ってきてくれるか?」
「小島様、少しは控えてください」
「めでたい時くらいはいいだろう? 若いうちからそのようでは年を取って楽しみがなくなるぞ?」
「もう何があっても知りません! 後は他の人に頼んでください」
師弟が楽しそうにしている。与六もまんざらではなさそうだ。
さて、越後の統一は終わった。これで景虎様の心から憂いは消え、誓いは果たされた。
あとはのらりくらりと旅にでも……。
辺りを見回すと、大量の団子を持って庭へ行く定満殿を見かけた。
噂によれば、庭に出て団子を食べている姿はとても愛らしく、隠れて観察している集団もいるらしい。変人である。
まあ、他人の趣味なんぞどうでもいいので咎めたりはしないが。
「お前、
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