第4話 越後統一
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を舞った。
地面に叩きつけられ、起き上がろうとした時――。
「……!」
「軍師さん、まだまだだねぇ?」
俺にクナイが突き付けらていた。
「っ!」
目の前に突き付けられているクナイが目に入ると、死にたくないと言わんばかりに体が勝手に動き、クナイを取り上げる。
「うわっと!? 軍師さん、私が油断するのを狙ってたんだね!!」
「え、あ、いや。えと……」
段臓殿が俺から距離を取ると、もう1本クナイを取り出して接近してくる。
キン!
2本のクナイがぶつかり合うと同時に、俺と段臓殿は蹴りを繰り出す。
互いの蹴りがぶつかり合うと、段臓殿は後ろへ押される。体格では男である俺の方が上なので、女性である段臓殿は押されて当然である。
「軍師さん、どうしたの? 急に強くなったね?」
「山育ち何でな」
「軍師さんって、忍者?」
「いや、忍者じゃないぞ。普通の人と違いがあるなら、山で育ってきたぐらいだから」
「ふーん。軍師さんの動き、忍者みたいだったからさ……」
「…………」
忍者か……。ガキの頃に憧れたな。でも、お師様の狗法を見たらやっぱり天狗が良いなって思って結局天狗の道を選んだんだよな……。
◇
その戦は、数度刃を合わせた後に互いに動きを止めた。
相手は防御に徹すると決めているらしく、いくら誘っても釣られることはなく防御を固めるばかりだ。
「時間がたてばたつほど……向こうの防御が固くなるの」
「此処まで防御に徹するとなると……兵站の確保は充分と言う事だろう」
「兵を集中して突撃をかけてはどうでしょうか?」
「消耗戦になっちゃうと……こっちの方が不利……だと思うの」
定満殿、与六、景虎様が今後の動きをどうするか決めている。
しかし、このままではこちらの兵站が尽きる可能性もある。
何とか短期で決着をつけるしかないだろう。
「このままではこちらの兵站が尽きます。短期決戦で行くしかないかと……」
「ならば、少数で斬り込むしかないだろう。私を中心として斬り込み隊を組み、本体同士をぶつけた後、一気に敵大将へと斬り込み勝負をつける」
虎様の策が有効だろう。あまり考えている時間もない。
「定満、敵大将への馬印を参考にもっとも効率の良い道筋を考えよ。弥太郎はついてくる者を少数選抜し、斬り込みに備えよ」
止める間もなく、景虎様は決断するとすぐに命令を出して自らも動き出した。
それじゃ、俺も働きますか。
「隠形」を使って敵の布陣を確認しに行き、定満殿に情報を提供する。
定満殿も策が出来上がり、斬り込み隊も組まれている。
この後すぐに、突撃を開始するだろう。
「突撃を開始するっ! 太鼓を鳴らせ!」
合図の太鼓と共に、組み直された本体が敵本体とぶつかる。
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