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101番目の舶ィ語
第十三話。ドキドキ添い寝と誓い
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アモードの俺はそんな事を考えてしまった。
一度考えるとモヤモヤした気持ちになってしまったので駄目元で一之江に聞いてみた。

「なあ、一之江……」

「なんですか?」

「あ、いや」

聞こうと思ったがここで、どんな気持ちなんだ?なんて尋ねてもいいのだろうか。
まだ知り合ってから日が浅いのに……むしろ迷惑すらかけている。
そんな俺に心配される事は一之江も望んでいないだろう。
だからそれを聞くのはもっと一之江から信頼されてからにしよう。
そう思った俺はまずは先ほどの普段の俺が導き出した推理、従姉妹の須藤理亜が『ロア喰い』ではないのか?という疑いを一之江に告げた。

「……というわけなんだが、君はどう思う?」

「そうですね。その可能性は0ではないですが低いと思います」

「そうだよね。やっぱり違うか……」

ヒステリアモードになってからよくよく考えてみたがこっちの俺が出した推理では理亜は『ロア喰い』ではない。
何故なら一之江が追っているロア喰いは魔女であり、純粋なロアであるからだ。
さらに一之江が車の中で言ったロア喰いの条件に理亜は当てはまらない。
理亜は家族の贔屓目が無くても美少女だが、『裕福な家庭』ではなく一般家庭で育ち、『社交性がある』という条件にも当てはまらない。
人付き合いとかは苦手な方だし、他人と触れ合うのを嫌がるからな。

「ですが、そうですね。
その妹さんが何らかの都市伝説、あるいはこっちの世界(ロアの世界)に詳しい人物の影響を受けているとは思います。
妹さん自身が何らかのハーフロアという可能性もありますし、誰かに吹き込まれて利用されているという可能性すらあります」

「そういった可能性もあるのか……」

「はい、ですから先ずはそれとなく妹さんを観察する事を勧めます。
あ、もちろんストーカーはしないで下さいね、ストーカーさん」

「俺はストーカーなんてしないよ」

「七里詩穂をストーカーした前科がありますので」

「それは誤解だよ!」

それをやったのは俺だけど俺じゃねえ!
ストーカー犯は一文字疾風、ただ一人だ!
……まあ、今は俺も一文字だけど……ややこしいな。

「はあー、まあ、いいや。それとなく聞いて見るよ。
それと理亜もあの中学通っているんだけど、『花子さん』の噂を知らなかったんだよ。
俺や俺の先輩の代は、かなりみんなで盛り上がったんだけどな。夏の定番だったし」

「ん……やはり、ですか」

「やはりなのか?」

背後で考え込むような一之江の息遣いが聞こえる。多分、唇に指を当てているのだろう。

「……もしかしたら、『花子さん』は『ロア喰い』に既に食べられてしまった……そういう事かもしれません」

「……そうなのか」


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