最強の座を賭けて
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、アスナさん助けたいから…」
リーファは最後の言葉に涙ぐみ、服の裾を掴んで小さくなる。
「バカだなスグは」
「え?」
「こう言う時…こう言う時こそ俺を頼ってくれよ」
「キリトくん…?」
「なんだかんだでこの世界ではスグに助けられてばっかだからな。
これくらいは恩返しさせてくれ」
「…でも、世界樹はいいの?上に、アスナさんがいるんじゃ…」
「大丈夫、まだ一ヶ月もあるんだ。少しくらい遅れたって…」
「それは駄目だな」
――――かまわない。
そう言おうとしたキリトの言葉を、俺はバッサリ断ち切った。
理由を問い詰めるようにキリトは俺を強ばった表情で見る。
「いいか?お前が挑もうとしてるのはこの世界のゲームマスターだ。
万が一、お前の動きに気付いて大幅アップデートを行い、
一ヶ月間の長期サービス停止にされたらもう何も出来なくなる」
「そ、それは…」
「大体この先に何があるかが分からない。(イレギュラー的な意味で)
もしかしたら結婚式を早めて来るかもしれない。
つまり、お前がここで立ち止まることは許されない」
「だからって…スグを見捨てるなんて…俺には…」
「だから、代わりに俺が行ってやる」
「……え?」
呆気に取られたような顔のキリト。
「はぁ…俺が会談場に行くって言ってんだ。
それならお前は先に進めるし、俺も後から追い付けば良い」
「ケン…」
「こういう非常時のために俺は付いてきているんだ。
アスナを助け出すのは勇者様だと相場は決まっているからな」
「…ありがとう」
よし、決定だな。
「さぁ、先に行ってろよ。俺もリーファの用事とやらをすぐに済ませて追い付くから」
「ああ!」
「またね、キリトくん!
それと、さっき呼び方スグに戻ってたよ」
リーファに言われ、顔が真っ赤になるキリト。それを捨て置いて俺とリーファは会談場へ向かった。
「彼処か!」
「そう!ってこんな大部隊で!?」
洞窟を抜け、空を飛び、向かった先は会談場。
到着した頃には赤色を象徴するサラマンダーの軍隊が件の場所へと向かうのが見えた。
「リーファ、先にいってるぞ」
俺はリーファ一言告げてスピードを上げた。
これは本来キリトの役目だった。
だが俺のイレギュラーを恐れる心の弱さでキリトの役を奪い取ったような物なのだ。
だこら俺は、キリトの代わりにこのサラマンダーを押さえなくてはならない!
俺は猛スピードでシルフ・ケットシー側とサラマンダー側との間に着地した。
「ちょっ、何者?」
「ウンディーネ…?」
シルフ・ケットシー側ではそう囁か
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