都市伝説
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あたりは暗闇に包まれている。明かりはそれぞれが手に持つ携帯電話の画面の光のみ。そんな中。佐天がおもむろに話し始める。
「これは友達の先輩の彼氏が実際に遭遇した話です。暑い夏のある日、その人が人通りの少ない公園を通りがかった時に女の人に道を尋ねられたんです。彼氏さんが快く道を教えていると、どこか虚ろなその女はゆらあ〜っと両手を上げ……」
「ごくり……」
誰かが緊張からか息をのむ気配がする。暗闇の中、蓮の隣にいる松野は蓮のてをぎゅっと握って離さない。蓮としては男同士で手を握っているのはやめてほしいのだが、松野の表情が必死なのでそのままにしている。
「突然がばぁっと!!」
「がばぁっと……?」
絶妙なためを作る佐天を御坂が促す。佐天は全員の顔を見まわしてしっかりとためてから話のオチを告げた。
「ブラウスを脱いだんです……!!!」
「「「ん?」」」
一瞬時が止まってしまったのかと錯覚するほどの完璧な沈黙。その沈黙は御坂の大声によって破られた。
「って全然ちっとも怖くないじゃん!!」
「いや、なんだよそのオチ……」
「いくら雰囲気を作ったとはいえそんな話ではねぇ……」
大声とともに黒い布が跳ね上げられ、明かりが戻る。蓮と白井があきれて言ったように、ファミレスの1席に座って頭から黒い布をかぶり雰囲気づくりをしたのだが全く効果はなかったようだ。もっとも1人だけ怖がっている松野には効果抜群だったようだが。
「えぇ〜……実際遭遇したら怖くないですか?突然脱ぎだす都市伝説、脱ぎ女!!」
「そうですよ!めちゃくちゃ怖いじゃないですか!!」
「怖くない。っていうかそれってただの変質者じゃないの?」
「てか松野、手痛いから離してくんない?お前はこの話のどこに怖がってんだよ……。確かに実際に見たらあれはある意味怖いかもだけど……」
「神谷なんか言った?」
「ううん。別に。」
「じゃあじゃあ、こんな話はどうですか?」
佐天の言葉をばっさりと切り捨てる御坂と松野にあきれる蓮。蓮には少しその変質者におぼえがあったりしなくもないが気にしない。きっと関係ないと蓮は信じることにする。そんな様子をみて初春が鞄からパソコンを取り出してみんなに見えるようにおく。蓮たちが画面よのぞきこむとそこには『学園都市伝説』というタイトルのいかにもな感じのサイトが表示されていた。
「風力発電のプロペラが逆回転するときなにかが起こる!」
「午後4時44分に学区をまたいではいけない。幻の虚数学区に迷いこむ!!」
「使うだけで能力のレベルが上がる道具『幻想籠手』(レベルアッパー)!!!」
「もーやめてーーー!!!!」
「いや、松野。お前もうなんかわざとやってない?これのどこにそんな怖がる要素があるんだよ。」
サイトに書いて
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