第27話
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」
蹴られたが素早く反応し、ゼロも刀を抜いた。そのまま巨大化、対艦刀と化し、俺を迎え撃つ体制を取る。だが、俺が本当に狙うのは、その対艦刀!
「刺され!」
「ハルの奴、何を…!」
対艦刀の中央に剣が刺さった状態で、ゼロとすれ違い、互いに背を向ける。貰うぞゼロ。その刀も!!
「クラッシュ!!」
エネルギーが留まる右手を握る。すると、刺さった剣のエネルギーが対艦刀の中を蹂躙し、大爆発を引き起こす。握った右手を開き、高速で飛来する剣を背を向けたままキャッチ、また盾に差し込む。
「もうよせゼロ!対艦刀を失なった以上、ヴァンガードの攻撃に零式は対応出来ない!」
顔を憤怒に歪ませるゼロに呼び掛ける。篠ノ之博士達から引き離した後、照りつける太陽が眩しい砂浜で、ゼロとISを起動させ始まったこの勝負、決着は見えた。主兵装の刀を失い、速度で上回れない零式に勝機はない。しかし諦めないゼロは右腕を発射する。対して、ヴァンガードの更新された新しい武器を呼ぶ。右手に『ライフル』を握り、撃つ。
螺旋を描き、迫り来る鉄拳は、迎撃する光の奔流に消え、零式のマントに穴を開けた。あのマントには、高度かつ強固なエネルギーコーティングが施されているのに、だ。以前、本人が言っていたから間違い無い。その守りを貫く武器が、今のヴァンガードにはある。
「もう一度言う、零式は対応出来ない。ゼロ!今ならお咎め無しで済む!」
「家族を笑われて我慢しろと!?失なった事もないハルが!」
「それで『今』大事な人達を二の次にするのか!」
俺とゼロの言葉は平行線。ゼロの意志も分かる、分かるけれども…!
「生きている以上、死んだ人に固執してはいけないんだ!お前が憎悪を燃やすのを、家族が望むはずがない!」
「敵討ちがそんなに悪いか!」
ゼロが殴りかかってくる。今のゼロに必要なのは、泥臭い殴り合いかもしれない。
「お前は愛されているんだ!昔も、今も!」
「誰がっ!」
「自分自身がよくっ、知ってるだろっ!」
殴り、殴られ、言葉を伝える。頭の固いこの男に気付いてもらうには、相当骨が折れそうだ。
「のほほんさんに、宮間さんに、シェル嬢に白兎!こんなに居るのにまだお前は!」
「それとこれは…!」
「違わない!違うとは言わせない。お前が、お前を愛する人を蔑ろにするのは許さない!」
最初から別の道はあったのだ。彼女達と笑い合い、健やかに、和やかに過ごす日々が。そうしなかったのは、彼女達がゼロの意志を尊重したからに他ならない。故に見逃せないのだ。彼女達の想いを無視するゼロを。
「お前は一見彼女達を大事にしているようで、彼女達を侮辱している!優しさをはき違えるな!」
ゼロに組み付き、足を払って転がし馬乗りになって胸ぐらを掴み
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