【魔界】での戦い T
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ら、性能は落ちるがいくらでも作れる神剣で戦ったほうがいいと考えたのである。
「まて小僧・・・!」
「アンタの相手は俺だ!」
「面倒じゃのう・・・。」
護堂と入れ替わりにヴォバンの相手をするのは、【魔眼の王】長谷部翔希とみーこである。
大地を埋め尽くす程の、ノヅチがヴォバン侯爵を襲う。漆黒のミミズに似たその生物は、自らの餓えを満たす為の餌を求めて、ヴォバン侯爵へと殺到した。みーこのノヅチとヴォバン侯爵の狼は互いを食い合い、一進一退の攻防を繰り広げている。そして、その間をすり抜けて、翔希が迫る。
「まつろわぬ神・・・いや違う!貴様、真なる神か!!!」
現在最古参の魔王は、即座にみーこの正体を見破り叫んだ。その顔は、喜色に満ちている。この場にドニがいることは気に食わないが、長年出会えなかった自分と同等の存在がこれ程いるのである。戦う相手には事欠かず、彼の闘争欲求が満たされていく。
「・・・チッ!鈴蘭がいないとここまでやりにくいのか!」
翔希が呟く。確かに、今この場所に鈴蘭と睡蓮はいなかった。
そもそも、こんな乱戦になったのは、ドニのせいであった。元々彼らは、ヴォバン侯爵が空港に到着した時点で、彼を隔離世に隔離する予定であった。そのために、護堂、翔希、早穂、みーこの四人は空港で待機していたのだ。
居場所の分からないドニよりも、正面から堂々と向かってきたヴォバン侯爵を先に叩き、その後ドニを倒す気でいたのだが・・・。
その思惑を叩き潰したのが、ドニが発動した権能【いにしえの世に帰れ】であった。この権能の発動によって、ヴォバン侯爵の乗った飛行機は、空港のはるか手前で墜落したのである。
勿論、それでダメージを負う彼ではない。自身の権能【死せる従僕の檻】により使役された魔女の飛翔術により、無傷で着地している。・・・が、これがドニの権能によるものだとは分からなかったヴォバン侯爵は、これを【伊織魔殺商会】の先制攻撃だと判断した。敵の居場所を探り当てる為に放たれた、無数の狼。そして魔女や大騎士。裏の世界のことなど知らぬ一般人への秘匿など、欠片も考えられていないその人海戦術により、彼らは発見された。
更に、その狼の群れを追いかけてきたドニが加わり、この状況へと陥ったのである。既に隔離世へと戦いの場は移動しているが、先程までの目撃者は数多い。【正史編纂委員会】の面々は、情報操作や記憶消去などで、しばらく眠れない日々が続くだろう。
「うん?鈴蘭はどうしたんだい?出てこないけど。」
ここで、ドニが護堂へと問いかけた。苦手なハズの熱による攻撃を受けているというのに、避け、防ぎ、そして
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