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妖精の義兄妹の絆
咎の炎と竜水
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変わっていた。
「その力に敬意を評しオレの最強の槍でトドメを指してやる。」
「だったらオレも全力でお前を沈めるぞ。」

コォォォォォォ

二人は魔力を集中させ限界まで高めていく。
そして、

シュン

「!!」
突如、ランスが姿を消したかと思いきや瞬時にタクヤの背後に回っていた。
「ふっ!!」

ブゥン

すかさず反応してみせたタクヤだがランスの凄まじい程のスピードに押し負けた。

ガキィィン

「ちぃ!!」
タクヤは体制を崩されたが瞬時に持ち直した。
「はあぁぁぁっ!!!」
タクヤはそのまま腕に水を纏い反撃にかかる。ランスもタクヤの攻撃を防いでいる。
しかし、防いでいるのは槍ではなく素手であった。
正確には魔力を纏わせたガントレットでだ。微弱だが装備している者の魔力を貯めておけるらしい。
(「あのガントレットは厄介だな…。」)
「ふんっ!!」

シュッ

ランスは隙あらばタクヤに反撃を繰り出している。タクヤとは零距離なので槍での攻撃ではないが、
その一発を喰らえば一気に畳みかけられるだろう。
それ故にタクヤも集中を切らす訳にはいかない。かと言ってこのまま攻防を続けてもジリ貧なのは明白だ。
それは二人が一番わかっている事だ。
((「「どっちかが先に動けば負ける!!!」」))

ガキィィン

互いに攻撃を受け止め踏ん張っている。
両者共に息が上がってきている。極限の中の緊張状態が続いていたためだ。
「その力、惜しいな。」
「何の事だコラ。」
「お前の力の秘密はある程度わかってきた。オレがトドメを指したと思ったあの瞬間に
お前はポーチから何か液体の入った小瓶を取り出していたな。」
「…なんだ、気づいてやがったか。…あれは“竜水"っつってな、オレが3年かけて練り上げた魔力増強剤だ。
大気中のエーテルナノを無差別に吸収する事ができる。」
「なるほどな。ニルヴァーナは膨大な魔力を有するため僅かばかりにそれが漏れ出す。
それを吸収しているという事か。」
それを聞いてランスはタクヤの今の現象に理解した。そして、理解して尚ランスは笑みを浮かべた。
「みんなが心配だ。さっさと沈めてやるぞ!!!」
「…そんなに急いで何かあるのか?」
「!!」
「図星のようだな!!!」

シュン シュン シュン シュン

ランスは魔力を分散させ、光の槍を作り出した。数百にも昇る光の槍は矛先をタクヤに向ける。
「光槍“レインズ"。」

ダダダダダダ

無数の槍がタクヤに迫ってきた。だが、タクヤは水の盾を広範囲に展開させそれを防ぐ。
「こんな子供騙しでオレは殺られねぇぞ!!!」
「それはどうかな。」
(「…こいつ。」)
タクヤは頬に嫌な汗を流した。


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