暁 〜小説投稿サイト〜
インフィニット・ストラトス ―蒼炎の大鴉―
第2章 宇宙を目指して
ファントムタスクの滅亡、終戦
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発射する。電磁誘導により高速で放たれた小口径の実弾は一直線にスコール・ミューゼルめがけて飛んでいく。

それは紙一重で躱された。だがそれは計算の内だ。一次ロックで撃った弾などそうそう当たるものではない。

続いて左腕のビームマシンガンを一次ロックで撃つ。

むろん躱される。だが、これにより彼女は追い込まれる。

「今だ!!」

「何!?」

俺が追い込んだのはアルティメス部隊の射線。既に6機がフルバーストの体勢をとっていた。

嵐のような高出力ビームの応酬は1機のISのシールドエネルギーを飽和させるには十分すぎた。

照射から撃破まで0.8秒、それがファントムタスクの最期にかかった時間でもあった。

「これで、心置きなく宇宙進出に没頭できる…」

無意識の内にそう呟いていた。

その後、各部隊は各々の帰るべき場所に戻った。

日本に戻った時、俺たちを迎えたのは宇宙用IS[スターダスト]を纏う兼次と篠ノ之束博士、産まれて2ヶ月の娘を抱えた簪だった。

「お帰りなさい、あなた」

「ただいま、簪、優乃」

そう言って娘[優乃(ユノ)]の頭を優しく撫でる。

「兼次、博士、その機体は…」

「思ったよりも早く完成しちゃってね〜、帰ってくるカーくんへのサプライズにしようってことになったんだよ」

そう言う博士の顔は誇らしそうだった。

「だが、これはあくまでスタートラインだ。これからが本当の戦いだぞ」

兼次も続く。これから他の惑星やスペースコロニーに人類を移住させるにはまた多大な時間と労力がかかることを兼次は言っているのだろう。

「わかってる。ここからが本番さ」

そんなやりとりをしている俺たちにマスコミが群がり始めた。

様々な質問が続く中、俺はこう言った。

「この戦争が、人類最後の戦争であってほしい」



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