第十二幕その二
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「カンサスにいて竜巻でここまで運ばれて」
「あの時は本当にびっくりしたけれどね」
その時から一緒だったトトの言葉です。
「けれどね」
「あの時からだったね」
「オズの国に最初に来て」
「こうして皆と一緒にいるんだよね」
「偶然からはじまったけれど」
「凄いことになってるね」
「偶然は非常に面白いものだよ」
まさにと言ったのは教授でした。
「予測出来ない、そして予測出来ない結果を生み出す」
「それが偶然なんですね」
「そうだよ」
恵梨香にもです、教授は答えました。
「偶然はいつも突然やって来てそうして結果を残していくんだ」
「何時何が起こるのか」
「わからないよ、そしてね」
「そしてですね」
「思わぬ結末に導いてくれるものだよ」
「凄いものなんですね」
「とても凄いよ」
それが偶然だというのです。
「だから私もね」
「教授もですか」
「偶然について研究しているけれど」
教授の研究対象の一つだというのです。
「これがね」
「わからないですか」
「どうしてもね」
それが、というのです。
「偶然程研究して難しいものはないよ」
「そうですか」
「計算出来ること、調べてわかることじゃないからね」
偶然、教授は考える顔でお話するのでした。
「このことについての研究はこれからも続けるけれど」
「それでもですね」
「答えは出ないかもね」
「若しかして」
ジョージも腕を組んで考える顔で言いました。
「偶然はこの世で一番難しいものでしょうか」
「その一つかも知れないね」
「偶然ドロシーさんがカンサスで竜巻に遭って」
ジョージはドロシーを見つつ言うのでした。
「魔女の上に落ちてかかしさんと木樵さんに偶然会って」
「臆病ライオンにも遭ってね」
ドロシーはこうも言い加えました。
「そうしてね」
「今につながるんですよね」
「一つの偶然からはじまって偶然が続いて」
その結果なのでした。
「今の私達があるのよ」
「偶然って凄いんですね」
神宝もしみじみとして言います。
「本当に」
「計算出来ないし予測も出来ないからね」
教授は神宝にもお話しました。
「だからね」
「凄いものなんですね」
「いい結果になるか悪い結果になるかもね」
「わからないんですね」
「まさに神のみぞ知るだよ」
何時何処でどういった偶然が起こってどういった結果になるかをです。
「そうしたことはね」
「神様だけですね」
「まさにね」
「そうなんですね」
「だからこそ難しいのだよ」
「研究もしにくいんですね」
「うん、起こる可能性は何時でもあってね」
そして、なのです。
「起こらないことも普通だから」
「僕達では何の予測も出来ないんですね」
「人間にはね
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