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IF物語 ベルセルク編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第四話 勝てる可能性
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ラウンシュバイク公、リッテンハイム侯、メルカッツ総司令官にお願いしてきました。シュトライト、アンスバッハ少将が取り掛かります」

二人の中将がじっとエーリッヒを見詰めた。エーリッヒは視線を伏せ気味にして合わせようとはしない。
「こちら側に寝返らせようというのか? 上手く行くかな?」
「上手く行かなくても良いんです。積極的にナイトハルトを使わない、そういう風になれば……。彼は手強いですから」

「場合によってはミュラーが粛清されるという事も有るぞ、分かっているのか」
「分かっています、向こうの総参謀長は猜疑心が強い。十分有り得ると思っています」
クレメンツ提督とエーリッヒの会話に皆が凍り付いた。おいおい、本気か? そこまでやるのか? エーリッヒが視線を上げた。眼が据わっている。

「むしろそうなって欲しいと思います。そうなれば向こうの組織を自壊させる事が出来るかもしれません」
やばい、エーリッヒは本気だ。それが分かったのだろう、クレメンツ提督が大きく息を吐いた。そして“俺もとんでもない男を教え子に持ったものだ”と吐いた。

「貴族を餌に敵を潰す。向こうも馬鹿じゃありません、使えるのはあと一度でしょう。完勝する必要が有ります」
「そうだな、幸いと言っては何だが卿の勝ち戦以来出撃を望む貴族が増えているそうだ。メルカッツ総司令官がぼやいていた。大物を釣り上げる餌には不自由せんだろう」
クレメンツ提督もぼやいているように俺には見えるけどね、まあ口には出せない。

「次は避けましょう。多分ロイエンタール提督が出て来ます。そう簡単には潰せない」
「なるほど、となるとその次ですが誰が出て来ますかな?」
リューネブルク中将が問い掛けた。皆が顔を見合わせた。
「ビッテンフェルト提督。彼は先年失敗している、性格的にも攻撃を好む、雪辱を望んでいるはずだ」

「ケンプ提督もですよ。元帥府では年長者ですし先年の戦いではヤン提督に上手く逃げられている。あれが無ければビッテンフェルトの敗北も無かった可能性が有る」
クレメンツ、ファーレンハイト中将の言う通りだろうな。出て来るのは先ずあの二人だ。それにしてもケンプ提督が年長者ってローエングラム元帥府は若い連中が揃っているな。

「ナイトハルト・ミュラー。今頃は周囲の視線が痛いだろう。彼も出て来る可能性は有る」
「なるほど、可能性は有るな。……如何する、エーリッヒ。彼が出てきたら叩くのか?」
「いいや、そのまま逃がす。そして次を叩く。その方が楽しくなりそうだからね。貴族達にも彼とは戦うなと言っておく必要が有るな」
エーリッヒ、頼むから微笑むのは止めてくれ。皆引き攣っているぞ。

勝てる可能性は二パーセント? 俺は三十パーセント以上ある様な気がしてきた。戦
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