第三章
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」
「ああ、わかった」
彼等の言葉に頷きあらためて女の子達の方を向いて。問い掛けるのだった。
「じゃあはじめるな」
「了解」
「わかったわ」
「出席番号の偶数と奇数に分かれてやろうぜ」
学級委員長が言ってきた。
「それでいいよな」
「ああ、それでな」
「じゃあ早速」
メンバー分けはそれですぐに終わった。こうしてお互いに分かれて試合開始となった。数馬は奇数で恵理香は偶数だ。彼女にとっては実に都合のいいことだった。
「丁度いいわね」
向かい側に数馬を見ながら微笑んでいる。一人こっそりと。
「それじゃあ」
そのうえで懐から昨日書いた手紙を出した。すぐにそれを雪玉に入れて包み込む。雪玉は何度も何度も両手で押してそう簡単には崩れて投げている最中に投げている手紙が出ないようにした。玉はカチコチにまでなりそれを見て満足した笑みを浮かべる。これだけで準備万端整ったのだった。
後は早速速射砲の様に雪を投げ続けている数馬に顔を向けた。そのうえで彼の名を呼んだ。
「三日月君!」
「んっ、葉山!?」
「受けなさい!」
そう言って雪玉を投げたのだった。早速。
雪玉は一直線に飛ぶ。いいスピードと球筋だった。どうやら彼女の運動神経は中々のものだ。その速さは数馬といえど不意ではかわせるものではなかった。
雪玉は見事彼の額に命中したクリティカルだった。
「やった!」
「葉山さんやるね!」
偶数チームは恵理香が見事数馬に命中させたのを見て歓声をあげる。言うまでもなく彼が偶数チームにとって一番の脅威だったからだ。
その彼に命中させた。恵理香はスターになった。ところが彼女にとってそれはどうでもいいことだった。じっと数馬を見ているのだった。
「さて、どうかしら」
雪玉が当たった彼の反応を見ていたのだ。雪玉はさっきので割れて中身が彼に見える筈だ。話はそれからだ。どうなるのか、じっと見ていた。
ところがであった。彼女の予想通りには進まなかった。それどころか。
「うう・・・・・・」
「お、おい三日月!」
「どうしたの!?」
額にその雪玉の直撃を受けた数馬は背中からゆっくりと崩れ落ちたのだった。慌てて皆が駆け寄る。恵理香は崩れ落ち倒れてしまった彼を見て呆然としてしまった。
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