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俺が愛した幻想郷
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第三話 答え合わせ
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合ってるわ」

「そこで、俺も能力を持っているときた。だが俺は、ゆかりんのいる世界の住人ではない。でだ、俺は産まれる世界を間違えたんじゃないのか... そう考えた。なら...本来、産まれるべき世界に行かなければならない。違うかな」

手を顎にやっているゆかりん。何かを考えているらしい

「ええ、大体合ってる」

「それでゆかりん? あなたは俺に伝えたかったことがあったんだよね? それがさっきまでの仮定。これで完璧かな。まぁでもさっきも言ったように仮定だから、仮定」

「合ってる、合ってるわ。ただ... あなたはあなたで、"こっち"に来たかっただけなんじゃないの? "そっち"から抜けたかったんでしょう?」

流石
いや、何が流石なのか...
でもなんだろう、流石って言う程の雰囲気がゆかりんは出てる。可愛さを強調しているゆかりんとはまた違った雰囲気だ。なんと言うか... 多分この人、その異世界の一番偉い存在なんじゃないのか? そんな気がしてきた

「それにしてもあなた、頭が回るのね〜」

ゆかりんがそう言ったのは物理的な意味ではない
頭の回転が速いと言うことだ(物理的な意味ではない。大事なことなので二回だ)

「あ、そうだ。ゆかりん?」

「はい?」

「なんであんとき、頭を撫でたんだ?」

「あのとき?」

「だから、俺が小さい頃、ゆかりんと俺が初めて会ったときの」

ゆかりんは一度、(だんま)りした後、ハッと何かを思い出したかのように、ブレブレの声のトーンで言った

「あのときね、そう、あのとき」

「で、なんで撫でたの?」

「あ、愛らしかったのよ....」

焦り混じり、悲しみ混じり
何をどう焦っているのかわからない表情だ
忘れて居た...と言う捉え方も出来るし、はたまた何かを隠しているようにも見えるのだ

俺とゆかりんの間にしばし沈黙が走る
俺は悪いことを聞いてしまったのか、なんか悪いことをした気分だ

「幻想郷へ...ようこそ」

不意にゆかりんはそう言った

「へ?」

「幻想郷、あなたがこれから来る世界の名前よ。私の愛した、大好きな幻想郷よ」

そうか
俺は抜け出せるのか
あの世界から

幻想郷... 異世界
俺にとってはもう異世界じゃない、なくなるんだ

ホントに、俺の頭はメルヘンチックだぜ...

そうだな


「愛すよ、俺も愛すよ。幻想郷」

今までにない真面目な顔をしてそう言う俺... そしてそれを見ていた紫はちょっぴりびっくりした顔をしてからふふっと笑い

「愛してくださいな。私の愛した幻想郷」

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