第七十二話
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……そう、俗っぽく言えば洗脳、って奴がね」
「あなた……そんなことが許されると思ってるの!」
アスナが激昂してそう糾弾するものの、その反応が面白いとばかりに須郷が哄笑する。被っていた紳士ぶった仮面を取り外し、アスナの身体を舐めまわすように眺める。アスナもその視線に気づき、『洗脳』という言葉に自然と身構えてしまう。
「ククク……なに、まだキミに何かする気はないさ。大事な身体だからねぇ」
そのまま須郷の独白は続いていく。曰く、大事なティターニアの前に、誰かの身を捧げるような献身的な『協力』がいる。しかし、今まで『協力』してくれていたSAOの方々に、これ以上頼むのは心が痛む。だから他に、ナーヴギアを使った女性プレイヤーはいないだろうか――と。
アスナは、それを何も言わず聞いていた。都合よくそんな人物がいるはずがない、という思いと――都合よくそんな人物がいなければ、須郷という人物は、わざわざそんなことを言わないという思いと、板挟みになって。
「そしたらねぇ、わざわざ『協力』しに来てくれる人がいたのさ。もうこの世界樹の下まで来ている」
須郷はそう言いながら、アスナにその『協力者』の画像を見せる。わざわざSAOにいた時の画像を取ってきたらしく、そこには『ピンク色の髪をしたエプロンドレスの少女』が鮮明に映っていた。
「本名、篠崎里香。プレイヤーネーム、リズベット……ああ、ティターニア――」
戦慄するアスナに須郷は笑いかける。
「――キミの親友なんだっけ?」
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