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SAO−銀ノ月−
第七十二話
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トとリーファの間にも、何か問題があったようだが……きっと、リズがキリトの尻を叩いて無理やり行かせただろうから、あちらはキリトによるか。

 急いで畳んでいたコートを羽織ると、道場から出る時に深々と礼をする。道場から出る際は必ず行う、神棚への礼と同じく――神様に対して失礼かもしれないが――必要以上に詮索しない両親への礼を込めて。両親のように行動出来るようになるのは、いつか分からないが……今はまず、迷っていないで行動あるのみだ。

「ああ、翔希」

 アミュスフィアがある離れに走って向かっていた俺に対し、道場からひょっこりと顔をだした母の声が響く。

「今日は鍋だから、早く帰って来なさいね」

 ……ALOに行く前に見た、母が買い出しに行っていた様々な食材は、どうやら鍋料理の食材だったらしい。何鍋になるかは分からないけれど、この寒い時期には美味そうな料理だ。


 ――そして、本日二度目となるALOへのログインを果たす。セーブ地点の宿泊所からではなく、強制ログアウトとなったカフェの光景が辺りには広がっている。しかし、キリトとリーファはもちろんのこと、リズにレコン、ユイの姿も見当たらない。

 リズにレコンも一旦ログアウトしたのか、と一瞬思ったものの、フレンド覧で確認したら二人ともログインしたまま。まさか、二人とユイだけで世界樹の攻略に乗りだしたのかとも考え、一応確認しに行ったが門は閉ざされたまま。当然である。

 再びログインしたカフェに戻ったものの、やはり誰も見当たらない。あと思い至るのは、宿泊したホテルぐらいなものだが、あそこまで行くならさっさとメッセージで連絡を取った方が早い。そう判断し、リズにメッセージを手早く送ると――

 ――背後から気配と風を斬る剣の音に振り向くと、黒い大剣がこちらに落下してきていた。圏内だということも忘れ、つい反射的に日本刀《銀ノ月》を引き抜くと、そのまま抜刀術の要領で落下してきた大剣を切り裂いた。

「……ん?」

 ……その大剣がキリトが使っていた大剣だ、というのに気づくのは、斬って捨ててからであり。

「すいませーん! 当たってませんかー! ……あっ」

「すいませ……あっ」

 また、キリトの大剣だった物が無残にもポリゴン片となるのと、頭上からスプリガンとシルフの男女――もちろん、キリトとリーファがやって来たのは、ほとんど同時のことだった。

「何で斬ってるんだよ……」

「……何で落ちてくるのか言ったら答えてやる」

 キリトと非生産的な話をしながら、今度は三人でリーファの長剣を探しに行く。幸いなことに、リーファの長剣は簡単に見つかり――折られても斬られてもおらず無事に――リズから『カフェで待ってて』というメッセージが来たため、三度カフェに戻ることとな
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